後藤純明

後藤純明とは

後藤純明（ごとう すみあきら/すみあき）は、生年不詳ながら天文22年（1553年）に没したとされる戦国時代の武将です。肥前後藤氏の第18代当主であり、武雄の領主として知られています。橘姓渋江公勢の子として生まれ、後藤職明の養子となりました。

生い立ちと家督相続

純明は、肥前国長島庄潮見城主・橘姓渋江公勢の長男として誕生しました。母は後藤職明の娘であり、外祖父である職明に子がなかったため、養子として迎えられました。永正16年（1519年）には、後に武雄鍋島氏の菩提寺となる円応寺を開いています。しかし、大永7年（1527年）に実家の渋江氏で内紛が起こり、父・公勢らが毒殺されると、これを機に長島庄を自己の領地としました。

有馬氏との協力と戦い

享禄3年（1530年）、純明は敵対関係にあった島原半島の有馬氏に武雄の塚崎城を攻められ、山内の住吉城にまで迫られました。しかし、純明は黒髪山で戦勝を祈願し、三間坂の白水原に陣取っていた有馬軍を奇襲して勝利しました。この時、戦勝を祝って足軽達が踊ったのが、武雄の郷土芸能「荒踊り」の起源とされています。その後、純明は有馬氏と和睦し、有馬晴純の妹を妻として迎え、義兄弟の関係を築きました。以後、有馬氏と協力して軍事行動を共にすることが増え、天文4年（1535年）には有馬晴純を助けて龍造寺家兼と戦い勝利し、天文9年（1540年）には千葉喜胤が杵島郡に進出した際にも有馬軍に加勢して勝利しました。

兄弟との戦いと龍造寺氏との対立

天文11年（1542年）、父・公勢の三男である弟・渋江公親が、長島庄の旧領を回復するために挙兵し、波多氏・松浦氏とともに侵攻しました。純明は防戦するも失敗し住吉城に退却を余儀なくされましたが、その3ヶ月後には日皷山城を攻略し、公親を敗走させました。拠点を塚崎城に移した後、天文12年（1543年）には、台頭する龍造寺家兼の失墜を企む少弐氏の重臣・馬場頼周から協力を求められ、西肥前の豪族の一人として、有馬氏・多久氏・波多氏・鶴田氏・馬渡氏らと共に龍造寺氏と対立しました。天文13年（1544年）には、龍造寺家兼が派遣した西肥前追討の軍勢を退けることに成功しました。しかし、この後、馬場頼周の謀略によって龍造寺氏は一族誅殺の憂き目に遭いました。

その後

天文14年（1545年）、大村純前の実子（庶子）であった又八郎（後の貴明）を養子として武雄に迎え入れました。そして、天文22年（1553年）に生涯を閉じました。後藤純明は、戦国時代の激しい動乱の中で、武雄の領主としてその名を刻みました。彼の生涯は、多くの戦いと策略に彩られ、その行動は後世に語り継がれています。

関連事項

後藤氏
橘公業：肥前橘姓渋江氏の祖。鎌倉幕府より長島庄を与えられた。

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