徐奉洙

徐奉洙（ソ・ボンス）

徐奉洙（ソ・ボンス、서봉수、1953年2月1日 - ）は、韓国の囲碁棋士で、その棋風は「野武士」と称されるほどの戦闘的なものです。大田出身で、韓国棋院に所属し、九段の段位を持っています。1970年代以降、曺薫鉉と並び称される実力者として、多くのタイトルを争い、日本での修行経験がないにもかかわらず、国際的にも高い評価を得ています。

経歴

幼少期から地元の碁会所で独学で囲碁を学び、1970年に17歳で入段しました。入段翌年には早くも名人への挑戦権を獲得。その挑戦手合中に二段に昇段し、趙南哲を3-1で破り、18歳という若さで名人位を奪取しました。その後も名人のタイトルを5連覇するなど、その実力を示しました。曺薫鉉が帰国してからは、二人は常にタイトルを争うライバル関係となり、韓国囲碁界を牽引しました。

1986年には九段に昇段。1993年には、第2回応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦で大竹英雄を3-2で破り、見事優勝を果たしました。1997年の真露杯SBS世界囲碁最強戦では、驚異の9人抜きを達成し、韓国を優勝に導くなど、数々の国際棋戦でその名を轟かせました。1999年にはLG精油杯で優勝し、6年ぶりのタイトル獲得を果たしました。2022年には、トップ棋士5人との五番勝負で1勝4敗という結果を残しています。

徐奉洙は、その長きにわたる棋士人生の中で数々の記録を打ち立てています。1994年には通算1000勝を達成し、2023年8月には曺薫鉉を抜いて通算最多対局記録（2811局）を更新しました。

韓国囲碁リーグでは、2005年にハンゲームチームで出場し、2008年、2009年にはTブロードチームの監督を務めました。2016年からは韓国棋院総裁杯シニア囲碁リーグに出場し、2017年、2018年、2021年には最多勝を獲得しています。趣味はビリヤードであるとのことです。

棋道と囲碁文化への貢献

徐奉洙は、その棋力だけでなく、囲碁文化への貢献も高く評価されており、以下の賞を受賞しています。

棋道文化賞: 1979年、1981-1983年（最多勝）、1979年（連勝賞）、1980-82年（優秀棋士賞）
囲碁文化賞: 1993年、1997年、1999年（優秀棋士賞）
囲碁大賞: 2006年（敢闘賞）、2021年（シニア棋士賞）

タイトル歴

徐奉洙は、数多くのタイトルを獲得しており、その実績は以下の通りです。

国際棋戦

応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦：1993年
紳士杯世界優勝戦：1995年
樟樹・中国葯都杯中日韓囲碁大師戦：2017年

国内棋戦

名人戦：1971-74年、1976年、1978年、1982年
MBC杯国棋戦：1974年
王位：1975年、1980年
最高位戦：1980年
国棋戦：1980年、1988年、1992年
棋王戦：1983年、1988年
帝王戦：1983年、1987年
KBS杯バドゥク王戦：1983年
国手戦：1986-87年
七八九段戦：1988年
東洋証券杯：1991年
LG精油杯プロ棋戦：1999年
石種杯プロシニア棋戦：2000年、2002-03年
電子ランド杯王中王戦玄武部：2006年、2008年
シニア囲碁クラシック シニア王位戦：2014年
大舟杯プロシニア最強者戦：2021年、2024年

その他の棋歴

徐奉洙は、国際棋戦においても数々の活躍を見せています。

国際棋戦

テレビ囲碁アジア選手権：準優勝（1993年）
三星火災杯世界オープン戦：ベスト4（2000年、2006年）
真露杯SBS世界囲碁最強戦：
1993年: 2-1
1994年: 4-1
1995年: 0-1
1997年: 9-0
ロッテ杯中韓囲碁対抗戦：1994年 0-2
塩城東方集団杯中韓囲棋団体名人選手権戦：2016年 1-2
扁康杯中韓囲棋国手友誼戦：2019年 1-1
1004島新安国際シニア囲碁大会：2019年団体戦 1-2
農心白山水杯世界囲碁シニア最強戦：2023-24年 0-1

国内棋戦

大舟杯プロシニア最強者戦：準優勝（2010年、2013年）
すみれオロチャレンジ：2020年 3-0 仲邑菫
電子ランドライバル対戦：2021年 1-1
ソパルコサノル徐奉洙の熱血挑戦：2022年 1-4
韓国棋院総裁杯シニア囲碁リーグ：
2016年（優勝）: 9-3
2017年: 8-3、最多勝
2018年: 9-3、最多勝
2019年: 11-2
2020年: 11-3
2021年: 11-3、最多勝
2022年: 6-8
2023年: 8-6
2024年: 9-5

代表局

特に有名な対局として、第2回応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦決勝五番勝負の第3局、大竹英雄 - 徐奉洙戦があります。

この対局では、序盤で大竹が優勢に立ちますが、中盤で徐奉洙が逆転し、勝利を収めました。この勝利で徐は連勝し、最終的に3勝2敗で優勝を決め、韓国に2連覇をもたらしました。


徐奉洙は、その独特の棋風と数々の偉業によって、囲碁界に多大な影響を与えた人物として、これからも語り継がれることでしょう。

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