仲邑菫

仲邑菫（なかむら すみれ）

仲邑菫は、2009年3月2日生まれの囲碁棋士で、韓国棋院に所属（客員）しています。プロ入りは10歳と史上最年少で、数々の最年少記録を樹立し、13歳11ヶ月で女流棋聖のタイトルを獲得しました。現在は韓国棋院に移籍し、国際的な舞台での活躍も目覚ましいです。

プロ入りまで

東京都で生まれた仲邑菫は、3歳で囲碁を始め、幼少期からその才能を発揮しました。父親であり師匠の仲邑信也九段の指導のもと、関西アマ女流囲碁名人戦で優勝するなど、早くから頭角を現しました。

8歳で関西棋院の院生となったものの、伸び悩んだ時期には、母親と共に週末に韓国へ通い、囲碁の腕を磨きました。その後、家族でソウルに移住し、韓鐘振囲碁道場で研鑽を積み、韓国棋院のプロ候補生である研究生となりました。アマチュア時代には、パンダネットレディース囲碁トーナメントで優勝するなど、その実力は早くから注目されていました。

日本棋院が創設した「英才特別採用推薦棋士」制度により、2019年1月、10歳0ヶ月という史上最年少でプロ入りを果たしました。プロ入り前には、井山裕太九段らトップ棋士との記念対局も行われ、その才能は高く評価されました。

プロ入り後の活躍

プロ入り後、仲邑菫は数々の最年少記録を塗り替えながら、目覚ましい活躍を遂げました。プロデビュー戦では敗れたものの、その後は着実に勝利を重ね、同年中に公式戦最年少勝利、最年少本戦進出も記録しました。特に男性棋士に対しては連勝を重ね、その強さを示しました。

2021年には、史上最年少で二段に昇段。また、棋聖戦Cリーグ入りも史上最年少で果たし、女流棋士として5人目の快挙となりました。同年の成績は43勝18敗と好成績を収め、棋道賞新人賞を受賞しました。国際棋戦でも勝利を挙げ、世界レベルでの活躍も期待されるようになりました。

2022年には、女流名人戦で史上最年少のタイトル挑戦を果たし、扇興杯では準優勝。同年、公式戦通算100勝を史上最年少で達成。さらに、メジャー国際棋戦で国内女性初の勝利を記録しました。また、二段昇段後40勝を挙げ、三段に昇段、こちらも女流棋士としては最年少記録です。

2023年、第26期ドコモ杯女流棋聖戦で上野愛咲美女流棋聖を破り、13歳11ヶ月という史上最年少でタイトルを獲得しました。しかし、2024年には、上野梨紗に敗れ、タイトルを失冠しています。その後、韓国棋院に客員棋士として移籍し、さらなる活躍を目指しています。

韓国移籍後、公式戦で初勝利を挙げ、国際囲碁春香選抜大会プロの部で優勝。韓国でのランキングも上昇しており、今後の活躍が期待されています。

人物像

仲邑菫は、井山裕太九段や朴廷桓九段を目標とし、井山裕太九段、藤沢里菜七段、謝依旻七段を尊敬する棋士として挙げています。好きな食べ物は焼肉やキムチチゲ、好きな教科は体育です。韓国での囲碁修行を通じて韓国語も習得しました。3歳から毎日7時間から9時間、囲碁の勉強に励んでいると語っています。

愛称はレモンやスミレモン。プロ入り試験で対局した張栩九段は、「9歳でこれだけ打てるとは衝撃的だった」と語っています。また、大阪府警察の特殊詐欺防止ポスターのモデルを務めるなど、幅広い活動を行っています。

主な成績

獲得タイトル

女流棋聖 1期（第26期）

良績

海成女流棋聖戦 準優勝（2024）
ハリム女流国手戦 準優勝（2024）
女流名人戦 挑戦者（2022）
扇興杯 準優勝（2022）
棋聖戦 Cリーグ入り（2021）

非公式戦

国際囲碁春香選抜大会プロの部 優勝（2024）
ディスカバリー杯 優勝（2022）
女流ティーンエージャー棋士トーナメント戦 優勝（2021）

記録

最年少入段（プロ入り）：10歳0か月（2019年）
最年少公式戦勝利：10歳4か月（2019年）
最年少棋戦本戦入り：10歳5か月（2019年）
プロ入りからの最短本戦進出：4か月4日（2019年）
最年少棋戦本戦勝利：11歳7か月（2020年）
最年少二段：12歳0か月（2021年）
最年少棋戦ベスト4：12歳1ヵ月（2021年）
最年少棋聖戦Cリーグ入り：12歳2か月（2021年）
最年少タイトル戦挑戦手合出場：13歳1か月（2022年）
最年少100勝：13歳3か月（2022年）
年齢制限のない男女混合の世界戦で国内女性初勝利（2022年）
最年少タイトル獲得：13歳11か月（2023年）

表彰

棋道賞新人賞（2021年）
* 日本囲碁ジャーナリストクラブ賞（2019年）

仲邑菫の今後の更なる活躍が期待されます。

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