御牧碩太郎

御牧碩太郎の生涯と業績

生い立ちと求道の道

御牧碩太郎（旧姓：金谷）は、1870年に大分県の医者の家に生まれました。彼は、明治時代にメソジスト派の教育機関である鎮西学院を卒業した後、高等師範に進学しますが、学業と生活の厳しさから健康を損ない、千葉で療養を余儀なくされます。この療養の期間に彼は、宗教への興味を持つようになり、東京・銀座にある日本メソジスト教会での祈祷会に参加します。そこで外交官の伴新三郎の信仰の証を聞き、感銘を受けて回心しました。

その後、彼は美山貫一の紹介を受けて、河辺貞吉と笹尾鉄三郎と出会います。特に、笹尾と対面した際には、彼の存在に強い畏敬の念を抱き、言葉を失うほどでした。1894年の4月16日には聖霊を受け、真摯に信仰を捧げる道を歩む決意を固めます。

伝道活動のスタート

御牧は笹尾鉄三郎や河辺貞吉らと共に「ちいさき群」と名乗り、芝の桜田本郷町に一軒家を借りて伝道を始めます。彼らは7月に青森を起点に、汽車で先回りし集会所を準備する間に、徒歩で徒歩でトラクトを配布しながら目的地に向かうという「縦断伝道」を行うなど、精力的な活動を展開しました。

1896年、御牧は笹尾や秋山由五郎、土井修平と共に松江にてバークレー・バックストンの元で共同生活をし、彼から学びを受けます。約2年後、バックストンの紹介を受けてイギリスに渡り、警察官を対象とした伝道団体「警官ミッション」に参加します。また、バックストンが発行していた聖書研究誌『聖書の友』の編集者としても活躍しました。

リバイバル運動への関与

1918年には、秋山由五郎、中田重治と共に日本全国リバイバル大祈祷会の発起人となり、リバイバル運動に大きな影響を与えます。1930年の昭和ホーリネス・リバイバルでは、東京聖書学院でのリバイバル大会に委員として参加し、「再臨準備リバイバル同盟」の結成にも関わりました。その後もリバイバル聖会において熱心に説教を行う中で、多くの信者に影響を与えていきました。

1933年には聖書信仰連盟の理事に選ばれ、信仰の再生や普及に尽力しました。彼の教えと活動は、多くの人々に希望を与え、信仰の道へと導きました。御牧碩太郎の信仰と伝道の生涯は、日本のキリスト教界においても重要な位置を占めています。彼の足跡は、今もなお語り継がれています。

参考文献

• - 山口幸子『ホーリネスの流れ』日本ホーリネス教団出版局、1999年
• - 米田勇『中田重治傳』1959年

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