莒光号

莒光号（きょこうごう）とは

莒光号は、台湾鉄路管理局（台鉄）が運行する列車種別の一つです。自強号の補完列車として、比較的多くの駅に停車する急行列車のような役割を担っています。その名前は、蔣介石の訓示である「毋忘在莒」「光復大陸」に由来しています。

歴史

莒光号登場から自強号登場まで

1970年2月3日、莒光号はR100型ディーゼル機関車に牽引され、台北～台中間で運行を開始しました。当時の運賃は普通列車の3倍にあたる117元で、日本車輌製造と日立製作所が共同生産した35SP32850型客車を中心に構成されていました。同年2月20日には、台北～高雄間の西部幹線全線での運行が始まりました。

1970年代から80年代中期にかけて、多くの客車が導入されました。これらは、現在の復興号用客車に近い白地に青線の塗装で、内装には絨毯やソファが使用されていました。縦貫線の電化完成に伴い、塗装は現在のオレンジ色に変更されています。

自強号登場以降

1978年、台鉄は電車を用いた優等列車として自強号の運行を開始しました。これにより莒光号は第二優等列車となりましたが、自強号用車両数が不足していたため、引き続き優等列車の主力として活躍しました。しかし、1996年にプッシュプル式のE1000型電車が導入されると、莒光号は次第にその地位を奪われていきました。

1997年から1998年の2年間で、停車駅の少ない計6本の莒光号が廃止され、自強号に置き換えられました。1999年には921地震の影響で山線が運行不能になり、海線経由で運行されました。2000年には、復興号の客車を莒光号に転用する動きがあり、一部の復興号が莒光号に置き換えられました。この際、停車駅や時間が復興号と変わらないにもかかわらず莒光号に変更されたため、実質的な値上げであると批判されました。2004年には定期列車の編成が9両から8両に減車されました。

その後、台湾高速[[鉄道]]（THSR）の開業や、自強号に太魯閣号、普悠瑪号が登場したことで、莒光号は徐々に本数を減らしていきました。2011年9月28日には、列車番号が2桁から3桁に変更されました。

車両

新莒光と旧莒光

1995年から、莒光号の各車両はドアの自動化、LED式行先表示器の採用、障害者向け設備の設置などの改造が行われました。これらの改造が施された車両は「新莒光」と呼ばれ、従来の手動ドア車両は「旧莒光」と呼ばれました。2004年には10600型客車が加わり、2005年末には441両が運用されていました。

2022年6月28日をもって、旧莒光客車は引退しました。最終列車には、莒光号登場時のヘッドマークが掲げられ、最後尾には特別にパーラーカーが連結されました。

充当車両（2000年代中頃）

客車（旧莒光）

35SP32600
35SP32720
35SP32750
35SP32800
35SP32850
35SP32950
40FP10000 (FP10001-FP10064)
40FPK10000 (FPK10001-FPK10008)
40FPK11000
35FP1000
35FPK1000
35FPK1100
40FP10100
40FPK10100
40FPK11100
35FPK10200
35FPK11200
35FPK11300

客車（新莒光）

35FPK10400
35FPK11400
35FPK10500
35FPK11500
40FPK10600
40FPK11600

運行

2000年代中頃には、莒光号客車は合計441両、総座席数は22,000席を超えていました。2004年の年間延べ乗客数は20,374,404人でした（台鉄全体では168,473,029人）。非電化区間では、ディーゼル機関車牽引の場合、冷房電源供給のために電源荷物車が連結されていました。

また、一部は商務車を連結した環島之星号として、団体観光列車にも活用されています。通常の時間帯に運行される莒光号のほか、東部幹線では週末に夜行列車が運行されていました。かつては西部幹線でも夜行列車がありましたが、2016年限りで廃止されました。

将来

莒光号は、2024年を目途に復興号とともに段階的に廃止され、EMU900型（区間車・区間快車）とEMU3000型（自強号）に置き換えられる予定です。

関連項目

台湾の[[鉄道]]
台湾鉄路管理局
自強号
復興号
普快車
対号列車

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