徳川の女たち

徳川の女たち

『徳川の女たち』は、1980年4月14日から7月4日にフジテレビ系列の『ライオン奥様劇場』枠で放送されたテレビ時代劇です。全60話で、東映が制作を担当しました。

概要

このドラマは、いわゆる「大奥」を舞台にした作品ですが、江戸時代全体を扱うのではなく、春日局、徳川吉宗を慕う町娘・お袖、松島局という三人の女性を主人公に、それぞれ20話完結の三部構成で物語が展開されます。

この作品の特徴として、史実よりもエンターテイメント性を重視した演出が挙げられます。衣装考証や人物考証において、大胆な脚色が加えられているのが特徴です。例えば、第一部では、徳川家康の正室である築山殿が生存している設定で、春日局を陰ながら支援するという独自の展開が描かれています。また、第三部では、伊達騒動を題材にした歌舞伎『伽羅先代萩』をベースにしたストーリーが展開されるなど、史実とは異なる大胆なアレンジがされています。

あらすじ

第一部：華麗 春日局

物語は、徳川三代将軍の座を巡る争いを背景に展開します。春日局は、自らが養育した徳川家光を次期将軍にするため、お江の方が推す徳川忠長に対抗し、様々な策謀を巡らせます。家光を将軍にするため、春日局は自らの生涯を捧げる覚悟で、周囲の女性たちと激しい戦いを繰り広げます。このパートでは、家康の正室である築山殿が生存しており、春日局を陰から支えるという大胆な設定が加えられています。

第二部：悲恋 お袖吉宗

このパートでは、八代将軍になる前の徳川頼方（後の吉宗）と、江戸の町娘・お袖との純粋なラブストーリーが描かれます。お袖は、密かに恋仲になった頼方（吉宗）を追って大奥入りし、様々な困難に立ち向かいます。大奥という特殊な世界を舞台に、愛、相剋、孤独、嫉妬、不安といった人間的な感情が複雑に絡み合う様子が描かれます。

第三部：哀惜 母ひとり

第三部では、幼い主君を守るために我が子を犠牲にしなければならなかった女性の悲しい運命が描かれます。大奥留守居役の妻だったゆきえは、かつて仕えた左京の方の頼みで、夫と離縁して若君の乳母として大奥に上がります。大奥で繰り広げられる権力闘争や陰謀劇の中で、彼女は母としての愛と責任の間で苦悩します。

再放送とネット配信

このドラマは、過去に複数回再放送されています。

2009年には、HDリマスター処理を施されたものが時代劇専門チャンネルで放送されました。
2014年には、日本BS放送で平日早朝に1日2話連続で再放送されました。
2022年には、東映チャンネルで毎週月曜日に4話ずつ再放送されました。

また、2022年6月4日からは、YouTubeの「東映時代劇YouTube」チャンネルで第1話と第2話が常時配信されています。

スタッフ

原案・脚本: 西沢裕子
企画: 石黒正保、久坂順一朗（フジテレビ）
プロデューサー: 杉本直幸、今川行雄、生駒伊織
音楽: 渡辺岳夫
監督: 黒田義之、長谷川安人、家喜俊彦、亀岡正人
制作協力: 関西美工
制作: 東映、フジテレビ
ナレーター: 幸村有希子

キャスト

第一部：華麗 春日局

春日局: 松尾嘉代
徳川家光: 荒木しげる
お楽の方: 鈴鹿景子
徳川忠長: 永井秀和
お江の方: 久保菜穂子
築山殿：木暮実千代

第二部：悲恋 お袖吉宗

お袖: 吉沢京子
徳川頼方→徳川吉宗: 中島久之

第三部：哀惜 母ひとり

ゆきえ→松島: 中村玉緒
木村伊織: 天田俊明
左京の方: 高林由紀子
* 滝川：小山明子


この他にも多くの俳優が出演しています。

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