徳川慶久

德川 慶久

德川慶久（とくがわ よしひさ）は、1884年9月2日、静岡市に生まれた日本の政治家で、父は徳川慶喜という名門の出身です。彼は正三位勲三等公爵という位階を持ち、周囲からは「けいきゅう様」と親しまれていました。彼の経歴には、貴族院議員、第一銀行取締役、華族世襲財産審議会議長といった名誉ある役職が含まれています。

幼少期と教育

生まれた当初の名は久（ひさし）であり、彼は母である側室・新村信のもとで育ちました。彼は1896年に静岡から東京へ移り、学習院に入学しました。ここでは学問に励み、特に数学に秀才の才能を発揮しました。1902年に父の慶喜の偏諱を受けて慶久と改名し、学習院高等科を卒業後、東京帝国大学法科大学政治科に進学しました。

結婚と公爵位

慶久は1908年、皇族である有栖川宮威仁親王の第二王女・實枝子女王と結婚しました。彼の家族の血筋は、当時の日本において非常に重要なものであり、後の祭祀承継にも影響を与えることになりました。1910年には父の隠居により公爵位を襲爵し、貴族院の公爵議員となりました。

晩年と死

慶久は1922年に急死しました。彼の死因は脳溢血とされましたが、気になる噂も多く、一部からは自殺の可能性も指摘されています。彼の命の終わりを惜しむ声は多く、没後には正三位勲三等瑞宝章が追贈されました。彼の墓所は谷中霊園にあります。

人柄と趣味

慶久はその性格や優れた知性から周囲に愛され、多くの特技を持っていました。柔道二段であり、碁も素人二段、またさまざまな活動に秀でていました。親友からは「才気縦横」と称され、内閣総理大臣になるのではという声もあったほどです。軽井沢には洋館を持っており、ゴルフクラブの創設にも貢献しました。このように、彼は非常に多才な人物で、その魅力は多くの人々に影響を与えました。

家族と子どもたち

慶久には妻と4人の子女がいました。妻は徳川實枝子で、彼らの間には長女、次女、長男、三女、四女が生まれました。長男の徳川慶光は家督を継ぎ、経営者としても成功を収めました。慶久の家族は、その後も華族の中で大きな影響力を持ち続けました。

彼の生涯は、名門の子としての運命を背負いながらも、多くの分野で才能を発揮したものであったといえるでしょう。

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