徳川頼職

徳川頼職（とくがわ よりもと）

徳川頼職は、江戸時代前期の武士で、和歌山藩の第4代藩主です。1680年、和歌山藩第2代藩主・徳川光貞の三男として生まれ、幼名は長七でした。元服後、松平頼元と名乗り、後に松平頼職に改めました。官位は従四位下・左近衛権少将兼内蔵頭でした。

1697年、5代将軍徳川綱吉に謁見し、越前国丹生郡内に3万石を与えられ、高森藩を立藩しました。この時、弟の頼方も同じく3万石を与えられ、葛野藩を立藩しています。

1705年、兄で第3代藩主の綱教が病に倒れたため、その養子となり徳川姓に復しました。綱教の死後、和歌山藩主を相続しましたが、高森藩は幕府に返上し、そのうち1万石が弟の頼方に加増されました。

父・光貞の危篤を知り、江戸から急ぎ和歌山へ向かいましたが、無理が祟り、自身も病に倒れ、父の死からわずか1ヶ月後の1705年9月8日に26歳で亡くなりました。藩主としての在任期間はわずか3ヶ月であり、江戸参府も果たせませんでした。そのため、和歌山藩主の家督相続時の格式である従三位・左近衛権中将の官位や、将軍からの偏諱（一字拝領）を受けることはありませんでした。法名は深覚院殿贈相公三品圓巌真常大居士です。

頼職には妻子がなく、弟の頼方が吉宗と名を改めて家督を継ぎました。和歌山藩では、綱教の死から数ヶ月のうちに3人もの葬儀を出すという異常事態となり、藩財政をさらに悪化させる要因となりました。

官職および位階等の履歴

1695年12月：従五位下・内蔵頭に叙任
1696年12月18日：従四位下・左近衛権少将に昇叙兼任
1697年4月15日：越前高森藩3万石の藩主となる
1705年5月：和歌山藩主である兄の綱教の養子となり、藩主後継者となり、徳川の苗字を称する
1705年6月18日：和歌山藩主となる
1705年9月8日：卒去、墓所は和歌山県海南市の慶徳山長保寺
1713年11月9日：贈従三位・参議

関連作品

徳川頼職を題材とした作品は以下の通りです。

「徳川の女たち」（1980年、演：芝本正）
「水戸黄門第22部」（1993年、演：若菜孝史）
「八代将軍吉宗」（1995年、演：野口五郎）
「炎の奉行 大岡越前守」（1997年、演：市川升助）
「徳川風雲録 八代将軍吉宗」（2008年、演：河野洋一郎）
* 「大奥」（2023年、演：坂上梨々愛）※男女逆転設定

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