志保山の戦い

志保山の戦い

志保山の戦い（しおやまのたたかい）は、平安時代末期の寿永2年5月12日（1183年6月3日）に、能登国と越中国の国境に位置する志保山（現在の石川県宝達山から北に望む一帯の山々）で、源義仲率いる源氏軍と平忠度率いる平家軍との間で繰り広げられた合戦です。この戦いは、治承・寿永の乱における重要な戦いの一つとして知られています。

戦いの経緯

寿永2年（1183年）5月11日、平家軍が二手に分かれて進軍してきたことを受け、源義仲は対抗策として軍を二手に分けました。源行家には1万騎を与えて志保山へ向かわせ、義仲自身は主力部隊を率いて砺波山（倶利伽羅峠）へと進軍しました。その後、倶利伽羅峠の戦いで平家軍に大勝した義仲は、翌日、志保山にいる行家軍を援護するため、自ら2万余騎を率いて出陣しました。

満潮時の氷見の湊を渡河して急行したところ、行家軍はすでに平家軍によって散々に打ち破られていました。そこで義仲軍は、疲弊していた平家軍に果敢に突撃し、激しい乱戦となりましたが、最終的に源氏軍が平家軍を圧倒し、勝利を収めました。

この戦いで、平忠度は討ち死にしています。平忠度は、治承・寿永の乱における平氏最初の戦死者として記録されています。

なお、『平家物語』には、源行家軍と平家軍との戦闘状況に関する詳細な記述は残されていません。

戦いの背景

この戦いは、源氏と平氏の勢力争いが激化する中で発生しました。源義仲は、平家打倒を目指し、各地で勢力を拡大していました。一方、平家は、都を掌握していましたが、各地で反平家の動きが活発化しており、勢力が衰え始めていました。志保山の戦いは、源氏が平家に対して優位に立つきっかけの一つとなりました。

関連資料

* 『平家物語』巻第七、火打合戦・倶利迦羅落

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