志茂碩敏

志茂 碩敏について

志茂 碩敏（しも ひろとし、1941年生まれ）は、日本の著名な東洋史学者であり、特にモンゴル帝国史の研究で知られています。福岡県戸畑市（現・北九州市）にて生まれ、東京大学の文学部東洋史学科を卒業した後、同大学の大学院博士課程を修了し、1993年に文学博士の学位を取得しました。志茂氏は公益財団法人東洋文庫にて研究員として活動し、多くの研究成果をあげています。2015年には「モンゴル帝国史研究」に対して日本学士院賞を受賞し、その業績は国内外で高く評価されています。

主著

志茂碩敏の主な著作には、モンゴル帝国に関する数多くの研究書が含まれています。特に次の3冊は注目すべき作品です。

• - 『モンゴル帝国史研究序説：イル汗国の中核部族』（東京大学出版会、1995年）

- ISBN: 978-4130261128
- 本書ではイル汗国における中核部族の位置づけとその歴史的背景について深く掘り下げています。

• - 『モンゴル帝国史研究 正篇：中央ユーラシア遊牧諸政権の国家構造』（東京大学出版会、2013年）

- ISBN: 978-4130210775
- 中央ユーラシア地域における様々な遊牧政権の国家構造を詳細に分析した一冊です。

• - 『モンゴル帝国史研究 完篇：中央ユーラシア遊牧諸政権の国家構造』（志茂智子との共著、2021年）

- ISBN: 978-4130210850
- こちらは前作に続く完結編として、遊牧民族の国家構造に関する更なる考察を展開しています。

志茂氏の研究は、モンゴル帝国の歴史理解を深める上で不可欠な資料と見なされています。

翻訳や共著・論文

彼はまた、数多くの翻訳や論文も執筆しており、その中には以下のような重要な著作が含まれています。

• - ガルディージー著『歴史の美しさ』（1980年）

- 榎一雄編集『敦煌の自然と現状』で、歴史の魅力に迫った作品を翻訳しました。

• - 「Īl Khān国史料に見られるQarāūnāsについて」（東洋学報、1971年）

- 榎一雄編集『敦煌の自然と現状』において、流沙海西奨学会賞を受賞した論文です。これは、モンゴルとペルシアに関する史料研究の一端を示すものです。

• - 「モンゴルとペルシア語史書：遊牧国家史研究の再検討」（岩波書店、1997年）

- 中央ユーラシアの歴史的統合に関する考察をまとめています。

• - 「最善を目ざして徹底的に努力する」（2016年）

- モンゴルの視点から世界史を再考するための重要なエッセイです。

これらを通じて彼は、モンゴル帝国に関する学問を深める貢献を果たしています。

結論

志茂碩敏はその学問的成果を通じて、多くの人々にモンゴルの歴史を理解する手助けをしており、今後もその業績は多くの研究者に影響を与えることでしょう。彼の研究は、単なる学問を超えて、文化と歴史の架け橋を築いているといえます。

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