悲田院 (京都市東山区)

悲田院（ひでんいん）について

悲田院は、京都市東山区に所在する真言宗泉涌寺派の寺院で、泉涌寺の塔頭の一つとして知られています。本尊には阿弥陀如来が祀られており、泉山七福神巡りの6番目の札所としても有名です。

歴史の背景

悲田院は、元々身寄りのない子供や老人、貧しい人々を保護する福祉施設として設立されました。平安時代には、東西に二つの悲田院が存在していたものの、やがてその役割を終えて消滅してしまいました。

1310年、無人如導が一条安居院において、天台宗、真言宗、禅宗、浄土宗の四宗を兼ねた寺を創設し、以前の西悲田院の名前を受け継いで悲田院と名付けられました。室町時代には後花園天皇によって勅願寺として認められ、以降、歴代の住職は天皇からの綸旨を受け、御所への紫衣参内が許可されました。また、後花園天皇の崩御時には、ここで葬儀や火葬が行われました。

1645年には、如周恵公が摂津国高槻藩主の永井直清の庇護を受け、現在の地へ移転しました。以来、高槻藩の支援を受け、寺院は栄え続けています。1885年（明治18年）には泉涌寺塔頭の寿命院と合併し、現在の形へと至りました。

文化財と見どころ

悲田院は、その歴史的・文化的な価値から多くの文化財が保有されています。特に、快慶作と伝えられる宝冠阿弥陀如来坐像や逆手の阿弥陀如来立像は、訪れる人々を魅了しています。また、土佐派の画家である土佐光起や土佐光成の作品、さらには橋本関雪による襖絵も見ることができます。

京都府指定文化財

• - 有形文化財

木造阿弥陀如来坐像（彫刻）: 像内には「アン（梵字）」や「アミタ仏」といった銘が刻まれており、2022年に京都府から指定されています。

アクセス情報

悲田院は、京都府京都市東山区泉涌寺山内町35に位置しています。アクセスには京都市営バスの泉涌寺道バス停から徒歩約10分の距離にあり、観光の一つとしても訪れやすい場所にあります。

参考文献

日本における仏教文化の一環として重要な役割を果たす悲田院は、今後も多くの人々にその歴史と文化を伝えていくことでしょう。

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