愛の亡霊

映画『愛の亡霊』について

『愛の亡霊』（仏題：L'Empire de la passion）は、1978年に公開された日仏合作映画であり、大島渚が監督を務めました。本作は、中村糸子の小説『車屋儀三郎事件』を原作とし、前作『愛のコリーダ』に引き続き、愛と性をテーマにした衝撃的な内容で、公開当時から大きな話題を呼びました。

製作の背景

フランスのアルゴス・フィルム社と日本の大島渚プロダクションが共同で製作しました。前作に続き、フランスのプロデューサー、アナトール・ドーマンが製作を担当し、監督は大島渚が務めました。スタッフには、撮影の宮島義勇、音楽の武満徹、美術の戸田重昌、編集の浦岡敬一など、小林正樹監督の『怪談』を手掛けたメンバーが多数参加しています。製作代表は若槻繁が務めました。

作品の特徴

『愛の亡霊』は、前作『愛のコリーダ』と同様に、人間の根源的な欲望を赤裸々に描いています。原作は、ある事件を基に、人間の愛と欲、そして狂気を深く掘り下げています。日本では東宝東和の配給で公開されました。

受賞と評価

第51回アカデミー賞外国語映画部門に日本代表として出品されましたが、残念ながら候補には残りませんでした。しかし、大島渚監督は、第31回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、その高い芸術性が国際的に評価されました。

主要スタッフ

監督・脚本：大島渚
製作：アナトール・ドーマン
製作代表：若槻繁
製作協力：若松孝二
原作：中村糸子
撮影：宮島義勇
音楽：武満徹
美術：戸田重昌
照明：岡本健一
編集：浦岡敬一

キャスト

塚田儀三郎：田村高廣
塚田せき：吉行和子
田中豊次：藤竜也
堀田重五郎：川谷拓三
西の家のお内儀：小山明子
ツン東：殿山泰司
西の家の若旦那：河原崎建三
おだめ / 語り：佐々木すみ江
倉造：山本麟一
山の店の親父：北村英三
西の家の花嫁：伊佐山ひろ子
田中伝三：杉浦孝昭
西の家の手伝いの女房：新屋英子
西の家の婚礼の客：佐藤慶

エピソード

吉行和子が本作に出演する際、周囲からは40歳を過ぎてのハードコア作品への出演に猛反対があったとされています。

関連情報

武満徹の作品一覧

外部リンク

愛の亡霊 - 日本映画データベース
愛の亡霊 - allcinema
愛の亡霊 - KINENOTE
L'Empire de la passion - オールムービー（英語）
L'Empire de la passion - IMDb（英語）
* Empire of Passion: Love’s Phantom an essay by Tony Rayns at the Criterion Collection

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