愛敬尚史
愛敬尚史氏（1976年12月4日生）は、大阪府高槻市出身の元プロ野球選手です。現役時代は右投げ右打ちの投手として活躍し、現在は東北楽天ゴールデンイーグルスでスカウトを務めています。
小学4年から野球を始め、中学時代はエースとして活躍し、大阪府大会でベスト8に進出しました。金光第一高校時代は府大会4回戦が最高成績と無名でしたが、この頃に投球フォームをサイドスローに転向しています。帝京大学へ進学後は、後にプロでも活躍する里崎智也捕手とバッテリーを組みました。1年生春季リーグでは6勝を挙げ、最優秀投手に選ばれるなど頭角を現します。1997年秋季リーグでは首都大学リーグ優勝を経験し、大学4年時には日本代表として世界選手権に出場。大学通算成績は53試合登板、27勝19敗、防御率2.45を記録しました。
大学卒業後、松下電器に入社。ここでも久保康友投手や大久保勝信投手ら、後にプロ入りする選手と同期となりました。社会人野球でもその実力を発揮し、2000年の第70回都市対抗野球大会では若獅子賞を受賞。翌2001年の日本選手権では優勝に貢献し、最優秀選手（MVP）に輝くなど、社会人野球でも確かな実績を残しました。
社会人での活躍が評価され、2001年のドラフト会議で大阪近鉄バファローズから2位指名を受け、プロ入りを果たしました。ルーキーイヤーから一軍に定着し、主にリリーフとして30試合に登板。防御率1.67という優れた成績を残し、チームのリーグ優勝に大きく貢献しました。この年、9月24日の対西武ライオンズ戦では、ワンポイントリリーフで登板し、わずか1球を投げて勝利投手となるという珍しい記録も達成しています。日本シリーズでも中継ぎとして登板しました。梨田昌孝監督からは右のワンポイントリリーフとして重宝され、2003年まで一軍で戦力として活躍。短いイニングでの登板が多かったため、登板試合数が投球イニング数を上回ることもありました。
2004年のプロ野球再編に伴う球団合併により、2005年からは新たに設立された東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍しました。しかし、楽天移籍初年度は左打者に打ち込まれる場面が目立ち、防御率は7点台と苦しいシーズンとなりました。2006年には投球スタイルを変え、ロングリリーフとして意外な成功を収め、シーズン途中からは先発に転向。メディアでも「不敗神話」として注目される時期もありましたが、プロ入り初黒星を喫した後は調子を落とし、再び中継ぎへ配置転換されました。8月以降は二軍での調整となり、再昇格は叶いませんでした。この年、5月11日の横浜ベイスターズ戦では、先発登板時に相手打者の石井琢朗選手に通算2000安打を許しています。2007年と2008年は二年連続で一軍登板がなく、特に2007年は自身にとって「最悪の1年」だったと振り返っています。2009年も一軍での出場機会がなく、同年10月2日に球団から戦力外通告を受け、現役を退きました。
選手としては、サイドスローから140km/h前後の速球に加え、スライダー、カーブ、シンカー、シュートと多彩な変化球を投げ分けました。かつては左打者に弱点がありましたが、2006年には右打者よりも抑えるなど改善が見られました。練習に対する真摯な姿勢は首脳陣からの評価も高く、2007年の開幕前キャンプでは、当時「黄金ルーキー」と呼ばれた田中将大投手（現：東北楽天ゴールデンイーグルス）の教育係を青山浩二投手と共に務めました。野村克也監督からは、「愛嬌（愛敬）があって運も持っている。素質はあるのだから、あとは度胸をつけろ」と激励されたというエピソードも知られています。
愛敬氏のプロ野球人生で最も特筆すべき記録は、「プロ入り107試合無敗」というものです。これは、2001年3月27日のプロ初登板から2006年5月11日まで、実に5年以上にわたり一度も敗戦投手にならなかったという驚異的な記録です。この間の登板は主に中継ぎで、2006年4月21日までの104試合はすべてリリーフでした。しかし、2006年4月27日に初めて先発登板すると勝利を挙げ、続く5月4日、5月11日も先発で勝利を収めました。当時の東北楽天ゴールデンイーグルスは勝率2割台と低迷しており、そのチーム状況下で先発として3連勝を飾ったことは快挙とされました。特に5月11日の試合は、一度リードを許した状況で降板した後、チームが逆転して勝利し、彼に勝ち投手の権利が付くという劇的な展開でした。しかし、108試合目となる2006年5月17日の対ヤクルトスワローズ戦で先発し、6回4失点と打ち込まれ、チームも敗戦。ついにプロ入り初の黒星を喫し、この「不敗神話」は幕を閉じました。「プロ入り107試合無敗」は、当時のプロ野球歴代2位、パ・リーグ最多記録でした。また、初黒星までに挙げた8勝は、全てプロ初登板後無傷で挙げたもので、これも2015年にソフトバンクのリック・バンデンハーク投手が9連勝で更新するまで、西鉄の稲尾和久氏と並ぶパ・リーグ記録でした。不敗神話が途切れたことについて、愛敬氏は「それはどうでもいいこと」と語り、契約更改時にはむしろ「負けがついてほっとした」と語るなど、記録に囚われない一面も見せています。
現役引退後、2010年から3シーズンは東北楽天ゴールデンイーグルスのジュニアコーチとして少年野球の指導にあたりました。2013年からは同球団のスカウトに転身し、現在に至ります。スカウトとして、辰己涼介選手、太田光選手、小深田大翔選手、黒川史陽選手など、チームの重要な戦力となっている選手たちの獲得に携わっています。
プロキャリアでは、2001年3月27日の初登板、同年3月30日の初勝利、2003年9月20日の初セーブ、2005年6月12日の初ホールド、2006年4月27日の初先発・初先発勝利を記録しています。中でも、2001年9月24日の「1球勝利投手」は、史上15人目の記録としてプロ野球の歴史に名を刻んでいます。プロ入りから引退まで、背番号は一貫して「22」でした。
小学4年から野球を始め、中学時代はエースとして活躍し、大阪府大会でベスト8に進出しました。金光第一高校時代は府大会4回戦が最高成績と無名でしたが、この頃に投球フォームをサイドスローに転向しています。帝京大学へ進学後は、後にプロでも活躍する里崎智也捕手とバッテリーを組みました。1年生春季リーグでは6勝を挙げ、最優秀投手に選ばれるなど頭角を現します。1997年秋季リーグでは首都大学リーグ優勝を経験し、大学4年時には日本代表として世界選手権に出場。大学通算成績は53試合登板、27勝19敗、防御率2.45を記録しました。
大学卒業後、松下電器に入社。ここでも久保康友投手や大久保勝信投手ら、後にプロ入りする選手と同期となりました。社会人野球でもその実力を発揮し、2000年の第70回都市対抗野球大会では若獅子賞を受賞。翌2001年の日本選手権では優勝に貢献し、最優秀選手（MVP）に輝くなど、社会人野球でも確かな実績を残しました。
社会人での活躍が評価され、2001年のドラフト会議で大阪近鉄バファローズから2位指名を受け、プロ入りを果たしました。ルーキーイヤーから一軍に定着し、主にリリーフとして30試合に登板。防御率1.67という優れた成績を残し、チームのリーグ優勝に大きく貢献しました。この年、9月24日の対西武ライオンズ戦では、ワンポイントリリーフで登板し、わずか1球を投げて勝利投手となるという珍しい記録も達成しています。日本シリーズでも中継ぎとして登板しました。梨田昌孝監督からは右のワンポイントリリーフとして重宝され、2003年まで一軍で戦力として活躍。短いイニングでの登板が多かったため、登板試合数が投球イニング数を上回ることもありました。
2004年のプロ野球再編に伴う球団合併により、2005年からは新たに設立された東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍しました。しかし、楽天移籍初年度は左打者に打ち込まれる場面が目立ち、防御率は7点台と苦しいシーズンとなりました。2006年には投球スタイルを変え、ロングリリーフとして意外な成功を収め、シーズン途中からは先発に転向。メディアでも「不敗神話」として注目される時期もありましたが、プロ入り初黒星を喫した後は調子を落とし、再び中継ぎへ配置転換されました。8月以降は二軍での調整となり、再昇格は叶いませんでした。この年、5月11日の横浜ベイスターズ戦では、先発登板時に相手打者の石井琢朗選手に通算2000安打を許しています。2007年と2008年は二年連続で一軍登板がなく、特に2007年は自身にとって「最悪の1年」だったと振り返っています。2009年も一軍での出場機会がなく、同年10月2日に球団から戦力外通告を受け、現役を退きました。
選手としては、サイドスローから140km/h前後の速球に加え、スライダー、カーブ、シンカー、シュートと多彩な変化球を投げ分けました。かつては左打者に弱点がありましたが、2006年には右打者よりも抑えるなど改善が見られました。練習に対する真摯な姿勢は首脳陣からの評価も高く、2007年の開幕前キャンプでは、当時「黄金ルーキー」と呼ばれた田中将大投手（現：東北楽天ゴールデンイーグルス）の教育係を青山浩二投手と共に務めました。野村克也監督からは、「愛嬌（愛敬）があって運も持っている。素質はあるのだから、あとは度胸をつけろ」と激励されたというエピソードも知られています。
愛敬氏のプロ野球人生で最も特筆すべき記録は、「プロ入り107試合無敗」というものです。これは、2001年3月27日のプロ初登板から2006年5月11日まで、実に5年以上にわたり一度も敗戦投手にならなかったという驚異的な記録です。この間の登板は主に中継ぎで、2006年4月21日までの104試合はすべてリリーフでした。しかし、2006年4月27日に初めて先発登板すると勝利を挙げ、続く5月4日、5月11日も先発で勝利を収めました。当時の東北楽天ゴールデンイーグルスは勝率2割台と低迷しており、そのチーム状況下で先発として3連勝を飾ったことは快挙とされました。特に5月11日の試合は、一度リードを許した状況で降板した後、チームが逆転して勝利し、彼に勝ち投手の権利が付くという劇的な展開でした。しかし、108試合目となる2006年5月17日の対ヤクルトスワローズ戦で先発し、6回4失点と打ち込まれ、チームも敗戦。ついにプロ入り初の黒星を喫し、この「不敗神話」は幕を閉じました。「プロ入り107試合無敗」は、当時のプロ野球歴代2位、パ・リーグ最多記録でした。また、初黒星までに挙げた8勝は、全てプロ初登板後無傷で挙げたもので、これも2015年にソフトバンクのリック・バンデンハーク投手が9連勝で更新するまで、西鉄の稲尾和久氏と並ぶパ・リーグ記録でした。不敗神話が途切れたことについて、愛敬氏は「それはどうでもいいこと」と語り、契約更改時にはむしろ「負けがついてほっとした」と語るなど、記録に囚われない一面も見せています。
現役引退後、2010年から3シーズンは東北楽天ゴールデンイーグルスのジュニアコーチとして少年野球の指導にあたりました。2013年からは同球団のスカウトに転身し、現在に至ります。スカウトとして、辰己涼介選手、太田光選手、小深田大翔選手、黒川史陽選手など、チームの重要な戦力となっている選手たちの獲得に携わっています。
プロキャリアでは、2001年3月27日の初登板、同年3月30日の初勝利、2003年9月20日の初セーブ、2005年6月12日の初ホールド、2006年4月27日の初先発・初先発勝利を記録しています。中でも、2001年9月24日の「1球勝利投手」は、史上15人目の記録としてプロ野球の歴史に名を刻んでいます。プロ入りから引退まで、背番号は一貫して「22」でした。
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