愛知電気鉄道電1形電車

愛知電気鉄道電1形電車

愛知電気鉄道電1形電車は、1912年に愛知電気鉄道が導入した4輪単車構造の電車です。この車両が運行を開始した際の背景やその後の発展について詳しく見ていきます。

概要

愛知電気鉄道（愛電）は、1910年に設立され、同じ年に行った敷設免許の取得を受けて、熱田町から常滑町に至る鉄道路線の建設に取り組みました。1912年2月には、伝馬町から大野町までの約23.3 kmが開通し、営業を開始しました。この路線に際して製造された電1形は、全長約10メートルの4輪単車としては大きめの車体を持つ木造の電車です。

特徴

電1形は、制御電動車としてウェスティングハウス・エレクトリック製の直接制御器を採用し、ブリティッシュ・ウェスティングハウス製の主電動機を2基搭載しています。また、台車にはマウンテン・ギブソン製のラジアル台車が装備されています。なお、制動装置は手ブレーキのみで空気ブレーキは設けられていません。連結器はピンリンク式を採用しています。

附1形の増備

初年度の好業績を受け、1912年には附随車の附1形が4両増備されました。この付随車は、電1形と同じくオープンデッキ構造ですが、動力装置や運転機器がないため、単なるトレーラーとして運行されました。

電2形の登場

1913年には大野町から常滑間の延伸開通に伴い、電2形が登場します。電2形は6両製造され、電1形を基にした仕様ですが、乗降口が密閉構造に変更され、連結器も螺旋連結器に変更されました。この変更は、国有鉄道との貨物連絡運輸を考慮したものでした。

車両の運命

これらの電車は、1923年までに形式消滅し、愛知電気鉄道における旅客用4輪単車は全て廃止されました。その中で、備えられた20両が様々に譲渡され、一部は他の鉄道で活躍を続けました。電1形の中には、石川鉄道や法勝寺鉄道への譲渡があり、電2形も同様に譲渡された例があります。

障害と改番

1919年には衝突事故が発生し、一部の車両が改番される一因となりました。この事故以降、車両番号末尾の「5」は忌み数とされ、使用されなくなりました。

結論

愛知電気鉄道電1形電車は、初期の愛知地域の交通の発展に寄与した重要な車両であり、その後の電車の形態への影響を与える存在でもありました。これらの車両は、愛電にとって忘れられない歴史の一部として、多くの鉄道ファンから注目されています。

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