慶源郡

慶源郡（キョンウォンぐん）

慶源郡は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の咸鏡北道に位置する郡です。1977年から2005年までは、セビョル郡という名称でした。「セビョル」は、朝鮮語で「明けの明星」を意味する美しい言葉です。

地理

慶源郡は、咸鏡北道の北東部に位置し、豆満江を境に中国と接しています。郡人民委員会は、郡の北寄りに位置する慶源邑にあります。北には穏城郡、西南には会寧市、東南には慶興郡が隣接しており、豆満江を挟んだ対岸は中華人民共和国吉林省琿春市です。慶源邑に近い柳多島には、豆満江を渡る橋が架かっています。

歴史

この地域は、かつて高句麗や渤海国の領域であり、その後は女真族の居住地となりました。高麗や朝鮮王朝との間で領有権をめぐる争いが繰り広げられましたが、15世紀前半に朝鮮王朝の支配下に入りました。

年表

高麗時代 - 孔州と称される
1398年 - 慶源府が置かれる
1428年 - 慶源郡となる
1895年 - 鏡城府慶源郡となる（二十三府制）
1896年 - 咸鏡北道慶源郡となる。一部(訓戎面)が穏城郡に編入
1914年4月1日 - 郡面併合により、咸鏡北道慶源郡に以下の面が成立 (6面)
慶源面、安農面、東原面、龍徳面、阿山面、有徳面
1947年11月 - 有徳面が慶興郡に編入 (5面)
1952年12月 - 郡面里統廃合により、咸鏡北道慶源郡龍徳面・安農面・東原面・慶源面および阿山面の一部、穏城郡訓戎面の一部地域をもって、慶源郡を設置。以下の邑・里が成立 (1邑21里)
慶源邑、金洞里、安農里、安原里、古城里、峯雲里、甑山里、中栄里、下面里、沙水里、城内里、洞林里、龍北里、新乾里、龍峴里、龍南里、龍新里、承良里、魯貫里、良洞里、金華里、龍門里
1953年12月 - 沙水里・金華里の各一部が合併し、訓戎里が発足。下面里の一部・沙水里の残部・金華里の残部が合併し、沙水里が発足。新乾里・魯貫里の各一部が合併し、禾汀里が発足。新乾里の残部・魯貫里の残部が合併し、新乾里が発足。龍北里の一部が分立し、古乾原労働者区が発足
1954年10月 - 洞林里の一部が龍北里に編入。龍北里の一部が古乾原労働者区に編入
1958年6月 - 鍾城郡龍渓里・鳳山里・鐘山里・硯山里を編入。古城里が安原里に編入。禾汀里が新乾里に編入。慶源邑が農圃里に降格。峯雲里が慶源邑に昇格
1961年3月 - 下面里が下面労働者区に昇格。龍北里が龍北労働者区に昇格。甑山里が城内里に編入
1964年5月 - 慶源邑の一部が分立し、後石里が発足
1977年9月 - 慶源郡がセビョル郡に改称。慶源邑がセビョル邑に改称。承良里が龍堂里に改称
1986年12月 - 安農里が柳多ソム里に改称
2005年3月 - セビョル郡が慶源郡に再改称。セビョル邑が慶源邑に改称

観光

豆満江を挟んで中国琿春市と国境を接しており、北朝鮮北部の主要な炭田地帯でもあります。

柳多島: 慶源邑から東へ約4kmの場所に位置しています。革命史跡地と近代的な農村住宅が立ち並ぶ景観が特徴です。

交通

咸北線
訓戎駅 - 下面駅 - 慶源駅 - 農圃駅 - 龍堂里駅 - 新乾駅
古乾原線
新乾駅 - 古乾原駅

産業

豆満江沿岸に広がる褐炭炭田（咸北北部炭田）の一部を構成しています。郡北部の訓戎・下面、郡中部の古乾原は、日本統治時代から開発が進められた炭鉱として知られており、現在も操業が続けられています。

行政区画

1945年8月15日時点で、慶源・安農・東原・龍徳・有徳・阿山の6つの面がありました。

慶源面
安農面
東原面
龍徳面
有徳面
* 阿山面

現在は、1邑・3労働者区・21里を管轄しています。


また、慶源郡は「テレビジョン連続劇･旺載山」のロケ地としても知られており、郡内にはいわゆる「聖地」が存在します。

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