戦士たち―想像上のバレエへの音楽

パーシー・グレインジャー「戦士たち 〜想像上のバレエ音楽」

[パーシー・グレインジャー]作曲の「戦士たち 〜想像上のバレエ音楽」(The Warriors, The Music to an Imaginary Ballet)は、管弦楽と3台のピアノのために書かれた作品です。

概要

1912年、ロシア・バレエ団のイギリス公演のために、指揮者のトーマス・ビーチャムからバレエ音楽の作曲を委嘱されたことがきっかけとなり、1913年から1916年にかけて作曲されました。当時、ロシア・バレエ団はストラヴィンスキーの「火の鳥」や「ペトルーシュカ」で成功を収めており、同じ頃にストラヴィンスキーへ「春の祭典」が委嘱されています。しかし、「戦士たち」は台本が完成せず、バレエ公演は実現しませんでした。グレインジャーはその後も作曲を続け、「想像上のバレエへの音楽」として完成させました。

初演: 1917年6月7日、アメリカ・ノーフォーク音楽祭にて、作曲者自身の指揮。
出版: 1926年、イギリスの作曲家フレデリック・ディーリアスに献呈。1922年には2台ピアノ6手版も作られています。

演奏時間は約20分。大規模かつ多彩なオーケストラ編成が特徴で、3台以上のピアノ（スコアの指示では最低3台）、舞台裏の金管6重奏、様々な打楽器、旋律打楽器などが指定されています。演奏に際しては、これらの楽器群がオーケストラ本体と、それとは独立した2つの演奏グループに配置されます。スコアには、指揮者の他に2人の副指揮者が必要であるという指示もあります。独立したグループは、オーケストラ本体とは異なる独自のテンポや音型パターンを奏で、「指揮者を無視して」「両方の指揮者を無視して」といった大胆な指示が書き込まれている点も特徴的です。

楽曲は、様々な時代や民族の男女による祝祭的な歓楽の様子を描いています。全体は8つのパートから構成され、主題の一部は循環的に使用されています。

参考文献

寺西基之　CD ガーディナー指揮フィルハーモニア管弦楽団(ドイツ・グラモフォン)ブックレット、1995年
宮澤淳一　CD ラトル指揮バーミンガム市交響楽団(EMIクラシックス)ブックレット、1997年

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