戸井田三郎

戸井田三郎の生涯と政治活動

戸井田三郎（といだ さぶろう）は、1918年6月12日に東京府に生まれ、1996年10月13日に78歳で亡くなった著名な日本の政治家です。彼は、衆議院議員として7期勤め、昇進秘話や後継者の存在など、彼の人生は政治と深く結びついています。戸井田は、従三位および勲一等瑞宝章を受章し、確固たる政治基盤を築きました。

来歴と戦争の影響

戸井田は麻布中学校を経て中央大学法学部に入学しましたが、1941年に学徒出陣し、衛生兵として従軍しました。戦争終結後は、医療に関する知識が評価され、中国の八路軍に徴用されることになります。彼は、妻とともに中国に残留し、1951年には河南省にて次男の戸井田徹が誕生します。その後、1953年に彼の家族と共に日本に帰国し、戦前から戦後にかけての特異な経験は彼の視野を広げ、政治活動に影響を与えました。

政治家としてのスタート

帰国後、戸井田は衆議院議員の清瀬一郎の秘書としてキャリアをスタートさせました。1969年の衆議院議員総選挙で自由民主党の候補として兵庫4区から立候補し、初当選を果たします。彼は、田中派に属し、政治家仲間には小泉純一郎や加藤紘一などの著名な人物がいました。

政務次官と大臣としての役割

1977年には厚生政務次官として政治の舞台に立ち、1979年の選挙で一時的に落選しますが、1980年には返り咲きを果たしました。その後、1982年の第1次中曽根内閣において郵政政務次官に任命され、国政における役割を拡大していきます。

派閥の変遷と厚生大臣

1987年には竹下登や金丸信が新派閥「経世会」を結成し、戸井田は中立系に属したのち、竹下派に移りました。1989年、第1次海部内閣において厚生大臣に就任し、厚生・福祉政策に専念します。この時期、彼は多くの人々の生活に寄与する政策を推進しました。

最後の政治活動と遺産

1993年の総選挙で7期目の当選を果たし、その後1995年には村山内閣で内閣総理大臣補佐に任命されます。しかし、1996年には健康を害し、心筋梗塞と肺炎を併発して急逝しました。戸井田の後を継いで次男の徹が急遽立候補し、当選を果たします。

著書と回想

戸井田三郎は、彼の政治活動を振り返る著作も残しています。1978年に発表した『陣笠代議士奮戦記』や、1997年に追悼出版された『一以貫之　政治家 戸井田三郎の軌跡』は、彼の考えや生涯を知るための貴重な資料となっています。

戸井田三郎の生涯は、戦争を経ての政治家としての成長や、その家族の政治的影響力など、多くの興味深いエピソードで構成されています。

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