戸田忠盈

戸田忠盈：宇都宮藩主から島原藩主へ

戸田忠盈（とだ ただみつ）は、享保15年（1730年）に宇都宮藩の第3代藩主・戸田忠余の次男として生まれました。宇都宮藩戸田家6代当主です。

生涯

父・忠余は当初、養父である戸田忠真の六男・戸田忠久を養子に迎えていましたが、忠久が早世。実兄も秋元家の養子となっていたため、忠盈が戸田家の世子となりました。延享元年（1744年）には従五位下・日向守に叙任されています。延享3年（1746年）に父の死去により家督を継ぎ、宇都宮藩主となりました。

宇都宮藩主として、忠盈は領内の人心荒廃を深く憂慮し、延享5年（1748年）に領民が守るべき心得を示した「御教条之趣」を発布しました。これは、厳罰に頼らず、領民の心や孝行心に訴えかけることで、人心の立て直しを図ろうとするものでした。

寛延2年（1749年）7月23日、肥前島原藩への移封を命じられます。しかし、病弱であったため、宝暦4年（1754年）7月25日に25歳で家督を養子（弟の忠寛）に譲り、隠居。以後は江戸で余生を過ごし、天明元年（1781年）7月28日に52歳で亡くなりました。

人物

領民を大切にし、刑罰ではなく教育によって人心を正そうとした藩主でした。

系譜

父：戸田忠余
母：芳春院（側室）

側室
直
倉

子女
戸田直太郎
戸田忠興
戸田栄之助
力
利尾 - 戸田忠喬正室、戸田忠寛の養女

養女
戸田忠寛 - 忠余の四男

参考文献

坂本俊夫『宇都宮藩・高徳藩』現代書館〈シリーズ藩物語〉、2011年9月。

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