扇森稲荷神社

扇森稲荷神社：由緒ある歴史と霊験あらたかな霊場

大分県竹田市に鎮座する扇森稲荷神社は、通称「狐頭様」として地元住民に親しまれている神社です。九州三大稲荷の一つに数えられ、初詣には数万人の参拝者で賑わう、県内外から信仰を集める霊験あらたかな場所です。本記事では、その歴史、ご利益、アクセス方法などについて詳しく解説します。

由緒ある歴史

扇森稲荷神社の創建は元和2年（1616年）に遡ります。岡藩主・中川久盛公が、白狐の頭を埋葬したと伝えられる「狐頭原」と呼ばれる地に、稲荷神を勧請して創祀したのが始まりです。

この地は古くから信仰の対象であった可能性が高く、近隣からは古墳時代の古墳が複数発見されており、その一つである扇森山横穴墓からは短甲が出土しています。これらの遺物から、この地が古代より特別な場所として認識されていたことが推測されます。さらに、拝殿裏手の金比羅峠からは阿蘇山や祖母山など、霊峰が一望できます。この金比羅峠が、かつては神体であったという説もあります。

江戸時代には、岡藩第12代藩主・中川久昭公が夢の中で稲荷狐頭源大夫と名乗る神霊から、登城の危険を知らされるという出来事がありました。久昭公はその予言に従い難を逃れたことから、神徳に感謝し、社殿を寄進し、「扇の森」という社号を贈ったとされています。これが、現在の「扇森稲荷神社」の名称の由来です。しかし、現在でも「こうとうさま」と呼ばれることが多いようです。

明治16年（1883年）には火災で社殿が焼失しましたが、その後すぐに復興されました。現在も、多くの参拝者を受け入れ、神霊の御加護を求める人々で賑わっています。

ご利益

扇森稲荷神社では、保食大神（うけもちのおおかみ）、猿田彦神、大宮女命（おおみやのめのみこと）を主祭神として祀り、菅原神、高龗神を配祀しています。

主なご利益として、商売繁盛（事業繁盛）、五穀豊穣、漁業大漁、家内安全、交通安全、学業成就など、多岐にわたります。特に商売繁盛のご利益は有名で、多くの商売人から厚い信仰を集めています。

アクセス

扇森稲荷神社へのアクセスは、以下のとおりです。

JR九州豊肥本線玉来駅から徒歩約1.3km
大分市と熊本市を結ぶ特急バス「やまびこ号」玉来停留所下車
* 車の場合、大分市から約60分、熊本市から約90分、阿蘇市から約40分、宮崎県高千穂町から約60分、福岡市から約180分。大分自動車道大分光吉インターチェンジから国道442号経由で約60分。竹田市の中心商業地域である玉来の国道57号から、高さ17メートルの鳥居が目印となります。

境内には100段の石段がありますが、石段の右手に狭い山道（裏参道）も存在します。

まとめ

扇森稲荷神社は、歴史と神秘的な雰囲気を併せ持つ、魅力的な神社です。多くの参拝者が訪れるのも納得できる、霊験あらたかなパワースポットと言えるでしょう。もし機会があれば、ぜひ一度訪れてみてください。

もう一度検索