中川久盛

中川久盛は、江戸時代前期に豊後国岡藩の第2代藩主を務めた人物です。官位は従五位下、内膳正。父は初代藩主の中川秀成、母は佐久間盛政の次女である虎姫です。特筆すべきは、祖父に当たる人物が、賤ヶ岳の戦いで敵味方として戦った中川清秀と佐久間盛政であるという点です。

慶長17年（1612年）に父・秀成が亡くなったため、家督を継ぎ藩主となりました。元和9年（1623年）には、幕府の要請により松平忠直の配流・謹慎に関与し、一時的に岡藩がその配流先に選ばれています。慶安4年（1651年）に長男の久清に家督を譲るまでの39年間、藩主として藩政を担いました。

久盛は藩主として、「御政事御定書」を制定し、藩の法制度を整備しました。また、正保年間には緒方井路の開削に着手しています。この用水路は、久盛の時代には完成しませんでしたが、子の久清の代に完成し、岡藩の農業用水として重要な役割を果たしました。

承応2年（1653年）、59歳で生涯を終えました。

久盛の系譜は以下の通りです。

父：中川秀成（1570年 - 1612年）
母：虎姫（1564年 - 1610年）、洞仙院殿春晃英玉大姉 - 新庄直頼の養女、佐久間盛政の次女
正室：紀為君 - 徳川家康の養女、久松松平定勝の娘
側室：安威忠右衛門の娘
長男：中川久清（1615年 - 1681年）
生母不明の子女
女子：水野忠職正室
養子
* 女子：久留島通清正室 - 松平定実の娘

中川久盛は、藩主として藩政の安定に尽力し、法制度の整備や農業用水路の開削など、後世に大きな影響を与える業績を残しました。また、その家系は戦国時代から江戸時代への移り変わりを象徴するものであり、歴史を語る上で重要な人物の一人と言えるでしょう。

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