折尾駅

折尾駅：歴史と進化を刻む北九州の玄関口

折尾駅は、福岡県北九州市八幡西区堀川町に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）の主要駅です。鹿児島本線と筑豊本線の2路線が乗り入れ、北九州市内の主要駅として、多くの乗客で賑わっています。

明治からの歴史と立体交差構造

1891年、九州鉄道と筑豊興業鉄道の駅としてそれぞれ開業した折尾駅は、1895年に日本初の立体交差駅として生まれ変わりました。鹿児島本線と筑豊本線の線路が垂直に交差するこの独特の構造は、100年以上もの間、折尾駅の象徴として親しまれてきました。旧駅舎は明治・大正期のモダンな建築様式と、幾度かの増改築を経て積み重ねられた歴史を感じさせる貴重な建造物でした。辰野金吾氏による設計とも伝えられています。

高架化と新駅舎

近年、折尾駅周辺では大規模な連続立体交差事業が行われ、2021年には新しい高架駅舎が完成しました。これにより、従来4カ所に分散していた改札口が1カ所に集約され、利用者の利便性が大きく向上しました。同時に、駅舎と一体となった商業施設「えきマチ1丁目折尾」も開業し、駅周辺の活性化に貢献しています。新駅舎のデザインは、旧駅舎の外観や待合室の雰囲気を可能な限り再現した意匠となっています。

駅構造と施設

現在の折尾駅は4面7線（島式3面6線+単式1面1線）の高架駅です。鹿児島本線、筑豊本線（若松線）、筑豊本線（福北ゆたか線）の3路線が利用でき、各ホームにはエスカレーターとエレベーターが設置され、バリアフリーにも配慮されています。駅構内には、東筑軒による駅弁・うどん販売店があり、地元名物「かしわめし」も購入できます。また、高架下商業施設には、からあげ店やベーカリーなど、様々な店舗が出店しています。

駅周辺環境

折尾駅周辺には、多くの学校や商業施設、公共機関などが立地しています。朝夕の通学時間帯は学生で賑わい、活気のある街並みが広がっています。駅周辺の再開発事業では、旧駅舎の赤煉瓦やレールなどを再利用したモニュメントが設置され、歴史を伝える工夫が随所に見られます。

西鉄北九州線折尾停留場

かつて、折尾駅の東口向かい側には、西日本鉄道（西鉄）北九州線の折尾停留場がありました。1914年に開業し、2000年の北九州線廃止まで、多くの乗客を運びました。駅舎は何度か建て替えられましたが、2010年頃に解体され、現在は折尾駅南口駅前広場の一部となっています。赤煉瓦造りのアーチ橋など、停留場の歴史を示す遺構は、一部モニュメントとして保存されています。

鷹見口

2022年3月まで、黒崎駅と東水巻駅を結ぶ福北ゆたか線（短絡線）には、「鷹見口」と呼ばれる地上駅舎がありました。折尾駅とは改札外の連絡扱いとされ、独特の乗換システムが利用されていましたが、高架化事業に伴い廃止されました。

利用状況

2022年度の1日平均乗車人員は13,451人で、北九州市内の駅では小倉駅に次いで第2位、福岡県内のJR九州の駅では博多駅、小倉駅、吉塚駅に次いで第4位と、高い利用率を誇ります。

アクセス

折尾駅は、国道3号、国道199号沿いに位置し、北九州市営バスや西鉄バス北九州が発着しています。周辺には広い駐車場もあります。

まとめ

折尾駅は、100年以上の歴史を持つ、北九州の重要な交通拠点です。高架化による近代的な施設と、歴史を伝えるモニュメントが調和した、魅力的な駅となっています。今後ますますの地域発展に貢献していくことが期待されます。

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