持木町

持木町（もちきちょう）

持木町は、鹿児島県鹿児島市に位置する町です。桜島の南西部に位置し、豊かな自然に囲まれています。2020年4月1日現在の情報によると、人口は95人、世帯数は59世帯と小規模なコミュニティを形成しています。郵便番号は891-1542です。

歴史

持木町は、かつて隣接する野尻町（現在の野尻町）の一部であり、「乙野尻」とも呼ばれていました。1950年（昭和25年）10月1日に、大字野尻のうち持木の区域が独立し、新たな町として設置されました。この地域は、安永の大噴火後の大洪水によって野尻村の一部が埋没した際、住民が疎開した場所であると伝えられています。その際、地名についての協議が難航し、「餅をつきかけてきたもんに」という言葉がきっかけで、「もっちき」と呼ばれるようになり、それが「持木」という地名になったという説があります。

地理

持木町は、桜島の南西部に位置し、文明噴火で噴出した溶岩が広がる地域です。クロマツの植林地が多く見られます。東側は東桜島町、西側は野尻町と隣接し、南側は鹿児島湾に面しています。町の南端には国道224号が東西に走り、集落は海岸側に多く存在します。ここでは、ビワやミカンの栽培が盛んに行われています。

自然公園・自然保護地区

持木町の一部は、霧島錦江湾国立公園の区域に指定されています。特別区域特別保護地区（桜島山頂）、第1種特別地域（桜島南斜面・燃崎）、第3種特別地域（桜島南西麓）が含まれており、貴重な自然が保護されています。

河川

町内には、持木川という水無川が流れています。この川は桜島南岳を源流とし、南西方向に流れています。

歴史的な出来事

1950年（昭和25年）10月1日、東桜島村が鹿児島市に編入された際、持木町は新たに設置されました。1963年（昭和38年）11月6日には、桜島の南岳噴火により、町域で山火事が発生しました。また、持木川では過去に何度も土石流が発生しており、1974年（昭和49年）には車が流出、1981年（昭和56年）には土石流が氾濫、1982年（昭和57年）には持木橋が流失するなどの被害が出ています。

人口推移

1995年以降の国勢調査によると、持木町の人口は以下のように推移しています。詳細なデータは省略しますが、小規模な地域であるため、人口の変動は比較的緩やかです。

施設

公共施設

持木町公民館

寺社

山宮神社

小・中学校の学区

持木町から市立の小・中学校に通う場合、学校区は以下の通りです。（具体的な学校名は省略します）

交通

道路

一般[[国道]]：国道224号

港湾

桜島港：湯之持木地区（避難港（3番））

参考文献

木脇栄『かごしま市史こばなし』南日本新聞開発センター、1976年。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、1983年。
桜島町郷土誌編さん委員会『桜島町郷土誌』桜島町、1988年。
平野宗夫,森山聡之,鉄谷浩之,松山英雄、「桜島持木川における土石流の現地観測について」1989年
* 南日本新聞『鹿児島市史Ⅳ』 4巻、鹿児島市、1990年。

持木町は、桜島の自然と歴史に育まれた、静かで美しい町です。自然豊かな環境と、地域住民の温かい交流が魅力です。

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