摩耶山町

摩耶山町：神戸の自然に抱かれた静かな町

神戸市灘区の北西部に位置する摩耶山町は、その名の通り摩耶山とその周辺地域を包含する町です。1980年（昭和55年）に北区山田町下谷上から灘区へ編入された歴史を持ち、独特の地理的特性と静謐な雰囲気を併せ持っています。

アクセスと地理

摩耶山町の地理的特徴は、そのアクセス方法にも表れています。町の中心部へは、北側にある六甲山町からの道路アクセスのみが容易で、南側からのアクセスは、神戸すまいまちづくり公社が運営する摩耶ケーブル線、もしくは摩耶ロープウェーを利用するか、徒歩で山道を登るしかありません。このアクセス性の難しさは、摩耶山町の静けさを保つ一因ともなっていると言えるでしょう。

町域は、摩耶山頂の北側、摩耶別山頂の西側に広がり、北は六甲山町、南東は大石、南の東部は原田、西は摩耶山、西の南部は中央区葺合町、そして北部の隣接町は北区山田町下谷上となります。周囲は山々に囲まれた、自然豊かな環境です。

町内の施設と自然

摩耶山町内には、歴史ある寺院である忉利天上寺や、摩耶山からの眺望を楽しめる摩耶ロープウェー星の駅、自然観察に適した摩耶自然観察園などの施設があります。これらの施設は、摩耶山の豊かな自然と歴史を体感できる貴重な存在となっています。特に、摩耶自然観察園は、多様な動植物が生息する貴重な自然環境を保全しており、自然愛好家にとって魅力的な場所です。

人口と歴史

摩耶山町の人口は非常に少なく、2020年（令和2年）の国勢調査では世帯数3、人口4人（男性1人、女性3人）と報告されています。これは、2005年（平成17年）の国勢調査の世帯数6、人口10人（男性5人、女性5人）と比較しても、著しい減少を示しています。1988年（昭和63年）には、六甲山町を含めて世帯数339、人口702人であったことを考えると、近年の減少傾向は顕著です。この人口減少は、アクセス性の悪さや、生活利便性の低さが影響していると考えられます。

参考文献

摩耶山町の歴史や地理に関する情報は、以下の文献から得ることができます。

神戸史学会 編『神戸の町名 改訂版』神戸新聞総合出版センター、2007年
灘区役所広報相談課 編『灘区の町名』灘区役所広報相談課、1976年
* 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 竹内理三 編『角川日本地名大辞典 28 兵庫県』角川書店、1988年

これらの文献は、摩耶山町の歴史的背景や地理的特性を理解する上で貴重な資料となります。

まとめ

摩耶山町は、アクセスは不便ながらも、豊かな自然と静けさの中で独自の文化を育んできた町です。限られた人口ながらも、その歴史と自然環境は、神戸市を語る上で重要な要素となっています。将来、摩耶山町の更なる発展と保全がどのように図られていくのか、注目すべき点と言えるでしょう。なお、かつて町内に存在したオテル・ド・摩耶は、2021年3月末に営業を終了しています。

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