支配勘定

支配勘定について

江戸幕府における支配勘定（しはいかんじょう）とは、勘定所に属し、実務を担当する役人の職名です。この役職は、勘定奉行の指揮のもとで様々な業務に従事し、行政の円滑な運営に欠かせない存在でした。支配勘定は、勘定所内の役職の一つで、他には支配勘定見習や支配勘定出役といった役職も存在しました。

支配勘定の役職と人員構成

支配勘定に就くためには、筆算の能力が必要であったため、採用時には厳格な審査が行われました。この職務が求める技術として、数字を扱う能力が重視された背景があります。具体的には、躑躅間（つつじのま）に位置し、裃役として100俵高の持扶持が与えられていました。また、御目見以下の御家人がこの職に就くことが多く、他の役職からの昇進も見られました。これには徒目付や火番、小普請組、普請役などが含まれ、支配勘定を経て勘定や勘定吟味方改役、さらには代官へと進むケースもありました。

支配勘定は、万治2年（1659年）の設置当初は24名の職員で始まりました。その後、宝暦11年（1761年）にはその人数が93名に増加しています。この増加は、業務の多様化や支配勘定の重要性の増大を反映したものと考えられます。

出張費の変遷

宝暦4年（1754年）には、普請修復見分のための遠国出張経費が関内と関外で異なる設定がされました。具体的には、関外の出張費が20両、関内が15両と定められましたが、宝暦6年（1756年）にはこれが関外15両、関内10両へと減額されました。こうした出張費の変更は、幕府の財政状況を示す重要な指標と見なされています。

支配勘定見習と支配勘定出役

支配勘定見習は、宝暦5年（1755年）12月に設置され、10人扶持が与えられました。一方で、支配勘定出役とは譜代席の者に与えられる役職で、100俵以下の者には5人扶持が配布されました。関係者の数は、寛政8年（1796年）の設置当初は20名でしたが、その後の更新により、1799年には15名が追加され、さらに1820年には10名、1838年には20名が加わり、最終的には計65名に達しました。

参考文献

支配勘定に関する詳細な情報については、以下の文献が参考になります。

• - 徳川黎明会 編「天保年間諸役大概順」『徳川礼典録 下』原書房、1982年
• - 藤野保 編『徳川幕閣のすべて』新人物往来社、1987年
• - 竹内誠編 『徳川幕府事典』 東京堂出版 2003年
• - 大石学編 『江戸幕府大事典』 吉川弘文館 2009年
• - 『大江戸役人役職読本』 新人物往来社編 2009年
• - 『国史大辞典』3巻 吉川弘文館

このように、支配勘定は江戸幕府の行政機構の中で重要な役割を果たしており、その歴史や機能を理解することは、当時の社会構造を知る上で欠かせない要素となっています。

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