教友会

教友会の概要

教友会（旧仮名：けういうくゎい、新仮名：きょうゆうかい）は、無教会派の指導者である内村鑑三の機関紙『聖書之研究』の読者を中心に結成されたキリスト教の共同体です。この共同体は、初期において読者同士の愛と結束を深めることを目的として、日本各地や海外に広がりました。

歴史的背景

教友会は1905年頃に、新潟県柏崎市で誕生しました。この地域での愛の共同体の実現を目指す気運が高まり、内村の提案に呼応した形で、最初の教友会が設立されたのです。同年の10月に発行された『聖書之研究』において、内村はローマ書13章8節を引用し、愛の交わりの重要性を強調しました。この発表は、多くの読者に影響を与え、各地で教友会が結成されていきました。

1905年には、新潟県の三条、大鹿、柏崎、長野県の上田、福島県の伊達郡粟野、千葉県の山武郡鳴浜、岩手県の花巻などへ広がり、さらにはアメリカのハワイやカリフォルニアにも設立されました。特に、11月25日には東京の角筈に教友会が誕生し、その後も多くの地域で同様の運動が進んでいきます。

1912年には、内村が札幌で伝道をした際に、札幌独立キリスト教会の竹崎八十雄によって教友会を全国的に組織しようという提案がありましたが、これは内村と教友会のメンバーによって拒否されました。この時期から教友会の名称は徐々に使用されなくなり、1918年には内村が再臨運動を始めることで教友会は柏木兄弟団として変化していきました。

メンバーの構成

教友会のメンバーは主に17歳から40歳の青年と壮年で構成され、独立して農業に従事する者や商業を営む者が多くいました。このようなメンバーの属性は、当時の社会におけるキリスト教の普及に一役買ったことと言えるでしょう。教友会の活動を通じて、信者同士の結束や愛の精神が育まれ、それが地域社会への影響にもつながりました。

参考文献

教友会の歴史や成り立ちは、いくつかの書籍に記されています。関根正雄による『内村鑑三』や鈴木範久の『内村鑑三』、内村美代子の『晩年の父内村鑑三』などがその一例です。これらの著作を通じて、教友会の背景や内村の思想をより深く理解することができます。

教友会の活動を知るための外部リンクとして、NPO今井館教友会のウェブサイトも参考にしてください。いまだにその影響力は地域社会に色濃く残っており、信者同士の結びつきは強固なものとなっています。

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