新やじきた道中記

『新やじきた道中記』は、長谷川町子によって描かれた日本の漫画作品です。1951年から1952年にかけて『週刊朝日』で連載され、『東海道中膝栗毛』を基にしたパロディ作品として人気を博しました。単行本は姉妹社から出版され、後に朝日文庫にも収録されています。

あらすじ

物語の主人公は、弥次郎兵衛（やじさん）と喜多八（きたさん）の二人組です。原作とは異なり、彼らの旅の目的は伊勢参りではなく、大阪へ遊びに行くこと。道中では様々な騒動に巻き込まれ、行く先々でユニークな出来事が繰り広げられます。

登場人物

- 弥次郎兵衛（やじさん）: 小太りな体型で、どこか憎めないキャラクター。
- 喜多八（きたさん）: やじさんとは対照的に、痩せた体型が特徴。
- サザエさん一家: 物語の途中で、江戸時代のサザエさん一家が登場します。やじきたの二人が騙されそうになった際、サザエが彼らを助け、一時的に行動を共にします。サザエは絵の修行のために京都へ向かうことになり、やじきたと旅をしますが、やじきたの行動にあきれ、途中で別れてしまいます。

主な出来事

- 小田原の宿: 正月を迎え、万歳をして小遣いを稼ぎます。
- 鞠子の宿: お金を盗まれ、宿で働くことになります。
- 浜松の宿: 富くじで100両を手に入れます。
- 岡崎の宿: やじきたの二人がサザエさんの前で下品な振る舞いをしたため、サザエさんは怒って旅をやめます。
- 宮の宿: ひょんなことから、やくざの秋風の立五郎の子分になります。

映画『新やじきた道中』

1952年には、大映によって映画化されました。映画版では、弥次郎兵衛と喜多八が妻から逃れるために旅に出るという設定になっており、旅の出発点が大阪であるなど、原作とは異なる点も多く見られます。しかし、オープニングには長谷川町子のイラストが使用されています。

ストーリー

富くじで100両を当てた弥次郎兵衛と喜多八ですが、そのお金を失くしてしまった手代に渡してしまいます。妻たちに怒られた二人は江戸へ向かう旅に出ますが、誤解が解けた妻たちも鳥追い女となって彼らを追いかけます。一行はある宿屋で出会いますが、浪人に扮して逃げ出した二人は、山賊退治を頼まれるも、お化け狸に化かされ気絶。その後、山賊に捕まるものの、「笑いたけの粉末」で山賊を倒し、妻たちと和解します。最終的には、大阪へ帰ることになります。

スタッフとキャスト

- 監督: 森一生
- 脚本: 民門敏雄
- 企画: 菅沼完二
- 撮影: 牧田行正
- 美術: 川村鬼世志
- 音楽: 三木鶏郎
- 弥次郎兵衛: 花菱アチャコ
- 喜多八: 横山エンタツ
- おふく（弥次の女房）: 清川虹子
- おやす（喜多の女房）: 丹下キヨ子
- 富くじの巫女: 江利チエミ
- 旅先の噺家圓馬: 三遊亭圓馬
- 朴庵(旅先の医師）: 伴淳三郎
- 荒木武藏（偽剣豪）: 澤村國太郎
- 宮本叉衛門（偽剣豪）: 寺島雄作
- 鈴鹿の権右衛門（山賊）: 横尾泥海男
- 伝助（二人に富くじを薦める鳶の男）: 上田寛
- 女中おきみ: 大美輝子
- お蝶（女すり）: 正木隆子
- 亭主八兵衛（宿の亭主）: 東良之助
- 浪人沙汰九郎（お蝶を使う悪人）: 堀北幸夫

外部リンク

- 長谷川町子美術館の公式サイト'>長谷川町子美術館公式サイト

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