新井田城

新井田城（にいだじょう）

新井田城は、青森県八戸市新井田に位置する日本の城です。別名として新田城（にいだじょう）とも呼ばれます。

概要

新井田城は、新井田川と松館川の合流点付近の小高い丘陵に築かれました。八戸藩主の南部信興によって建てられた別館は、本丸と二の丸に相当する外館（とだて）から構成され、現在の新井田小学校を含む一帯に広がっています。青森県の遺跡地図上では「館平遺跡」として登録されています。

一説によると、新田氏は当初、新井田城の北方約500メートルに位置する古館に入り、その後、新井田城に移ったとされています。

沿革

新井田城は、中世から近世にかけて存在した平城です。城主は新田氏であり、根城南部氏の五代政長の次男である彦次郎政持を祖としています。政長の三男である信助には中館（のちの八戸城）が与えられ、これが新田氏と中館氏の始まりとされています。根城、中館とともに「三館一城」と称されたという説もあります。

築城時期は明確ではありませんが、「浅利六郎四郎清連注進状」の建武3年（1336年）に新田彦次郎政持の名が見られることから、南北朝時代初期には築城され、新田氏が居住していたと考えられます。

天正20年（1592年）の諸城破却書上には、「新井田 平城 破 南部 彦七郎 持分」と記録されています。寛永4年（1627年）には、南部利直の要請により根城南部氏が遠野へ国替えとなりますが、新田氏もこれに従って遠野へ移転し、新井田城は廃城となりました。

その後、八戸藩主となった南部信興が、新井田城の本丸に別館を建てて居住しました。

脚注

参考資料

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 2 青森県』角川書店、1985年12月1日。ISBN 4-04-001020-5。
児玉幸多、坪井清足『日本城郭大系 第2巻 青森・岩手・秋田』新人物往来社、1980年7月15日。

関連項目

日本の城一覧
新田城 - 同一の城名

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