新城郡 (湖北省)

新城郡は、三国時代の魏において、220年（黄初元年）に設置された郡です。当時の蜀の将であった孟達が魏に降伏した際、魏の文帝によって、房陵郡、上庸郡、西城郡の三つの郡を統合して新城郡が設けられました。そして、孟達自身が新城太守に任命され、この地域の統治を任されました。

新城郡は、荊州に属し、巫県、秭帰県、夷陵県、臨沮県、房陵県、上庸県、西城県の7つの県を管轄しました。この地域は、魏にとって蜀に対する重要な拠点の一つとなりました。

晋の時代になると、新城郡の管轄する県は変わり、房陵県、綏陽県、昌魏県、沶郷県の4県を管轄するようになりました。行政区画の再編が行われたことが伺えます。

南朝宋の時代には、新城郡は梁州に属し、房陵県、綏陽県、昌魏県、沶郷県に加えて、閬陽県、楽平県の2県が加わり、合計6県を管轄しました。南朝における勢力の変化が、行政区画にも影響を与えたと考えられます。

南朝斉の時代には、新城郡は南新城郡と改称されました。管轄する県は変わらず、房陵県、綏陽県、昌魏県、沶郷県、閬陽県、楽平県の6県を引き続き管轄しました。名称の変更には、当時の政治的な意図が込められていた可能性があります。

南朝梁の時代になると、南新城郡は再び新城郡の名称に戻されました。これは、一時的な変更であったことを示しています。しかし、その後の西魏の時代には、新城郡は光遷国と改められ、その歴史に幕を閉じました。

このように、新城郡は三国時代から南北朝時代にかけて、その名称や管轄する県、所属する州を変えながら、中国の歴史の中で重要な役割を果たしました。特に、魏と蜀の国境地帯に位置していたことから、軍事的な要衝としての役割も担っていたと考えられます。

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