新宿駅西口地下広場

新宿駅西口地下広場

新宿駅西口地下広場は、新宿駅西口地下一帯に広がる歩行者空間で、送迎車の乗降場も含むエリアです。1966年に坂倉準三氏の設計（実施設計・設計監理は東孝光氏）によって完成し、小田急百貨店などとともに、現在の新宿駅西口の景観を形作る基礎となりました。

概要

この広場は、主に周辺のオフィスビルや商店街を結ぶ自由通路としての役割を果たしています。新宿駅だけでなく、京王百貨店、SHINJUKU ODAKYU PARK（旧新宿スバルビル跡地）、小田急エース、モード学園コクーンタワー、新宿住友ビルディングなどの商業施設や、西新宿副都心へのアクセスにも利用されています。また、広場の一角にあるイベントスペースでは、様々なイベントが開催されています。

地下広場の管理は東京都建設局が行っており、地下には駐車場（新宿駅西口駐車場）があります。この駐車場は完成当時、世界初の地下立体駐車場として知られていました。都庁方面へ続く動く歩道も同局の管轄です。

広場の中央には、地上からの吹き抜け構造のロータリーがあり、都庁第一本庁舎行きのバス停やタクシー乗り場があります。また、かつては噴水も設置されていましたが、現在では使用されていません。

歴史

新宿の戦災復興計画の一環として建設されたこの地下広場は、1960年代には反戦フォークゲリラの活動の中心地であり、1990年代には多くの路上生活者が段ボールハウスを建てて生活していました。このようなアンダーグラウンドな歴史を持つ公共施設でもあります。

主な出来事

1969年6月28日：反戦フォークゲリラ排除事件
フォークゲリラの集会と機動隊が衝突し、道路交通法が適用されて集会は事実上禁止となりました。これにより、それまで「広場」と呼ばれていた場所は「西口地下通路」と名称変更され、集会や人の集まりは歩道不法占有として扱われるようになりました。
1990年代：新宿ダンボール村
都庁へ向かう通路沿いには、路上生活者の段ボールハウスが立ち並んでいました。
1996年1月24日：ホームレス強制排除事件
動く歩道の設置に伴い、再三の退去要請にも応じなかった路上生活者が強制排除され、支援者らとの間で激しい衝突が起こりました。その後、京王帝都電鉄も新線新宿駅通路から路上生活者を排除しました。
1998年2月7日：地下広場火災事件
路上生活者の段ボールハウスから出火し、多数の死傷者が出ました。この事件を機に、段ボールハウスでの生活は全面的に禁止されました。その後、この場所はイベントスペースとして整備されました。多くの路上生活者は新宿中央公園へ移動し、現在では公園に定住しています。

禁止事項

この地下広場は道路法・道路交通法が適用されるため、道路占用許可や道路使用許可なしに交通の妨げとなる行為は禁止されています。路上生活やビラ配りは禁止されており、長時間立ち止まったり、床に座り込んでいると警備員から注意を受けます。夜間には多くの路上生活者が段ボールを広げて就寝していますが、早朝には構内放送で禁止事項が伝えられ、警備員が巡回して排除を行っています。

脚注

財団法人東京都道路整備保全公社による説明
新宿西口地下広場の動画 - YouTube
＜新宿新聞＞変わる 歴史の「交差点」　西口再開発、完成は20年先 - 東京新聞 (2023年8月18日)
新宿が再開発で大きく変わる 今の景色と10年後 - Impress Watch (2023年1月3日)
新宿駅西口のロータリー中心部になぜか「換気塔」が設置されているワケ - Merkmal (2022年9月13日)

関連項目

新宿
* 東京都庁

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