新島善直

新島善直

新島善直（にいじま よしなお）は、1871年（明治4年）に生まれ、1943年（昭和18年）に没した日本の林学者です。北海道帝国大学（現在の北海道大学）の教授として、日本の林学の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと教育

新島善直は、幕府直参の新島善之の長男として、東京府小石川（現在の東京都文京区）に生まれました。幼少期には、中村正直が主宰する同人社で学び、西洋の思想や学問に触れました。1888年には、駒場の農科大学予科に入学し、林学を志すようになりました。翌年の1889年には、赤坂日本基督教会でヒュー・ワデルから洗礼を受け、キリスト教に入信しました。帝国大学農科大学では、林学を専門的に学び、1896年に卒業した後も助手として大学に残り、研究を続けました。

北海道での活躍

1899年、札幌農学校（後の北海道帝国大学農学部）に森林科が設置されると、新島善直は教授として招聘され、札幌へと移りました。北海道の厳しい自然環境の中で、造林学や森林保護学の研究・教育に尽力しました。1905年からは、ドイツのギーセン大学に留学し、造林学、森林学をさらに深く学び、学位を取得しました。1908年には、エルネスチーネ・エーメル（日本名：栄子）と結婚し、帰国。

1909年、林学博士の学位を取得。帰国後は、北海道帝国大学農科大学林学科の初代教授として、造林学、森林保護学、森林美学などを教え、後進の育成に力を注ぎました。1934年まで教授を務め、北海道の森林保護にも貢献しました。

キリスト教との関わりと晩年

新島善直は、キリスト教信仰を大切にし、札幌北一条教会の長老として、林竹治郎らと共に教会を支えました。北海道帝国大学を退任後には、北星女学校（現在の北星学園女子中学高等学校）の8代校長（1934年8月1日～1941年3月24日）として女子教育に従事しました。1943年2月7日、胃潰瘍のため71歳で生涯を閉じました。

栄典

新島善直の功績は高く評価され、以下の栄典を授与されています。

1911年（明治44年）6月28日 - 勲六等瑞宝章
1926年（大正15年）8月26日 - 勲二等瑞宝章
1934年（昭和9年）5月2日 - 正三位

参考文献

『林業先人伝 : 技術者の職場の礎石』日本林業技術協会、1962年。
* 『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年。

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