新淵橋

新淵橋（しんえんばし）

新淵橋は、長野県松本市波田前淵と安曇大野田を結ぶ国道158号線に架かる橋です。梓川が山間部から松本盆地の平野部へと流れ出る場所に位置し、信濃川河口からは302kmの地点にあたります。

橋の概要

新淵橋は、梓川の川幅が狭まっている箇所に架けられています。橋の周辺は、梓川両岸の眺望が開け始める場所で、約1km下流にある新島々駅を過ぎると、両岸の山々が遠くに見えるようになります。橋から水面までの距離が深く、初めて橋が架けられたのは1869年です。その後、何度か架け替えが行われ、現在の橋は1996年に完成しました。

現在の橋は、「上路単純トラス橋」という形式の鋼製橋で、幅員は5.5m、長さは68.3mです。この橋の下では、1949年に上高地以外で初めてケショウヤナギの生育が確認されました。

橋のプレートには「新渕橋」と略字で表記されていますが、行政上は「新淵橋」という正字が使われることが多いです。

歴史

橋の安曇側たもとには、1869年の架[[橋]]に尽力した人々を讃える「頌徳碑」が1964年に建てられています。この碑には、架[[橋]]に至る歴史が刻まれています。それによると、梓川を挟んだ地域では、増水時の交通が上流の橋に頼っていたため、新淵橋の架[[橋]]が切望されていました。かつては渇水期に仮橋が架けられ、飛騨街道の往来にも使われていましたが、春の増水期には対岸の道を通る必要がありました。1869年、地元の人々の協力により、通年利用可能な橋が完成し、「竜渕橋」と名付けられました。その後、「新渕橋」と改名され、県による架け替えまで維持されました。

ただし、資料によっては、新淵橋の架設を1870年とし、人力車が往来できるようになったのは1878年とする記録もあります。

年表

1868年（明治2年）：通年使用可能な橋が架けられ、「竜渕橋」と呼ばれる（刎橋）。
1878年（明治12年）：県の費用により刎橋として架け替えられる。（資料によっては1879年）
1888年（明治22年）：腐敗により橋が崩落。再建費が予算から削除されたが、地元村長の要請により架け替えが実現。
1904年（明治38年）4月：橋脚のある木橋として架け替えられる。
1931年（昭和6年）：鉄橋に架け替えられる。
1996年11月：現在の橋に架け替えが完了。

周辺

新島々駅（松本電気鉄道上高地線）
村の駅アルプスの郷
* バス停留所「大野田駅」

新淵橋は、梓川の美しい自然と、地域の歴史が感じられる場所です。

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