新潟市の行政区域の変遷

新潟市は、信濃川西岸の新潟区と東岸の沼垂町が合併した旧新潟市を中心に発展してきました。昭和、平成の合併を経て、現在の広大な市域を形成しています。

沿革

新潟市の歴史は、室町時代にまで遡ります。

永正年間（1504年 - 1521年）: 赤塚村、佐潟周辺に「新賀田」という湊ができます。
天文年間（1532年 - 1555年）: 河海の変遷により、湊が現在の青山村の地に移転します。
元和3年（1617年）: 関屋村と寄居村の間の土地に移転します。
明暦元年（1655年）: 現在の古町区域で新しい新潟町を形成します。

新潟町移転後

寛延年間（1748年 - 1750年）: 阿賀野川の松ヶ崎堀割の決壊により、信濃川河口に砂洲が発達し島ができます。
宝暦年間（1758年-1760年）: 毘沙門島、上島が開発され、新潟町の一部になります。
明和年間: 下島が開発され、新潟町の一部になります。
弘化元年（1844年）: 厩島が開発され、新潟町の一部になります。
明治12年（1879年）: 郡区町村編制法の施行により、新潟町・寄居白山新田村の区域をもって新潟区が発足します。
明治20年（1887年）: 西鳥屋野島（現：白山浦）を新潟区に編入します。

市制施行後

明治22年（1889年）: 市制施行により新潟市が発足します。
大正3年（1914年）: 沼垂町を編入します。
大正8年（1919年）: 石山村の一部を編入します。
昭和18年（1943年）: 大形村、石山村、鳥屋野村を編入します。
昭和29年（1954年）: 松ヶ崎浜村、南浜村、濁川村、坂井輪村を編入します。
昭和32年（1957年）: 大江山村、曽野木村、両川村を編入します。
昭和35年（1960年）: 内野町、豊栄町浜浦地区を編入します。
昭和36年（1961年）: 中野小屋村、赤塚村を編入します。
昭和63年（1988年）～平成13年（2001年）: 横越村、黒埼町と境界変更・編入。
平成17年（2005年）: 豊栄市、新津市、白根市、亀田町、横越町、小須戸町、味方村、月潟村、中之口村、西川町、潟東村、岩室村を編入します。
平成17年（2005年）: 巻町を編入します。
平成20年（2008年）～平成24年（2012年）: 燕市と境界変更。

新潟町の成立と移転

新潟の地名は1520年の文献に初めて登場しますが、町の成立はそれ以前と考えられています。1655年に現在の古町区域に移転しました。

元和の移転（古新潟への移転）

1617年、堀直寄により新しい町建てが命じられ、現在の新潟大学医学部周辺に移転しました。

明暦の町建て

1655年、信濃川の流れの変化により、白山島・寄居島に移転しました。この際、町割りを崩さずに移転することが原則とされ、古町、本町、大川前の通りが作られました。

新しくできた土地の開発

信濃川の土砂堆積により、榛木島、秣島、毘沙門島などの新しい土地が生まれました。これらの土地は、浜手、山手と呼ばれ、開発が進められました。

明治時代の合併

1879年、新潟町が区に指定され「新潟区」となり、寄居白山外新田が編入されました。1887年には西鳥屋野島を編入し、区域を広げました。

市制の施行

1889年 4月1日、市制施行により新潟市が発足しました。関屋村古新田を合併し、市域を拡大しました。

大正時代の合併

沼垂町との合併

信濃川を挟んだ新潟市と沼垂町は、古くから合併が議論されていましたが、様々な対立があり、容易に実現できませんでした。1914年、ようやく合併が実現し、近代埠頭の築造に向けて動き出しました。

昭和時代の合併

戦時下の合併

昭和初期、新潟県は工場誘致のために周辺町村との合併を推進しました。1943年、大形村、石山村、鳥屋野村が新潟市に合併しました。

昭和の大合併

戦後の昭和20年代後半から30年代にかけて、町村合併が強力に進められました。1954年、松ヶ崎浜村、濁川村、南浜村、坂井輪村が新潟市に合併しました。その後も、周辺町村との合併が進み、市域が拡大しました。

平成の合併

平成時代に入り、2001年に黒埼町、2005年には豊栄市、新津市、白根市など12市町村、さらに巻町が新潟市に編入されました。これにより、現在の新潟市域が確定しました。

黒埼町との合併

黒埼町は、新潟市への通勤・通学者が多く、生活圏が一体化していました。住民アンケートの結果、合併賛成が多数を占めたため、2001年に新潟市と合併しました。

周辺12市町村との合併

新潟県が政令指定都市移行型合併を推進したことや、国の市町村合併支援プランが提示されたことを受け、2005年に周辺12市町村が新潟市に編入されました。

政令指定都市化

期間限定の市町村合併支援プランに従い、政令指定都市の人口要件緩和措置等を満たした新潟市は、平成19年（2007年）4月1日に指定都市へ移行しました。

行政区

政令指定都市移行に伴い、8つの行政区が設置されました。区の名称は、地域の一体感や愛着を考慮して決定されました。

経緯

区割り案については、市民や編入市町村民から意見を募り、検討委員会で絞り込みを行いました。区名案についても、応募結果や地域審議会の意見を踏まえ、最終調整が行われました。

地名

政令市移行に伴い、地名も一部再整理されました。旧市町村名などを冠した地名や、編入前の地名に復したケースがあります。

新潟100万都市構想

かつては、政令指定都市移行に人口100万人以上が必要とされていましたが、要件緩和により新潟市の政令市移行が実現しました。しかし、周辺自治体の財政状況などから、合併を模索する動きが今もなおあります。

新潟商工会議所などが提唱した新潟100万都市構想では、周辺自治体との合併により、広域的な都市圏を形成することを目指していました。

まとめ

新潟市の行政区域は、長い年月をかけて周辺の市町村との合併を繰り返しながら拡大してきました。この変遷の歴史は、新潟市の発展の軌跡を示すものであり、今後の都市計画や地域振興にも重要な示唆を与えてくれるでしょう。

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