新町 (群馬県)

群馬県新町：歴史と文化が息づく、高崎市の一角

新町（しんまち）は、かつて群馬県中南部に位置し、多野郡に属していた町です。2006年に高崎市へ編入合併し、現在は高崎市の一部となっています。特筆すべきは、編入前の面積が3.74平方キロメートルと東日本最小であったにもかかわらず、北関東で最大の人口密度を誇っていた点です。

中山道の宿場町としての歴史

新町は、中山道の宿場町・新町宿として栄えました。宿場町としての歴史は古く、江戸時代には多くの旅人や物資が行き交い、賑わいを見せていました。現在もその面影を残す街並みが、歴史を感じさせます。また、陸上自衛隊新町駐屯地が所在することでも知られています。

高崎市への編入

2006年1月23日、新町は群馬郡群馬町、箕郷町、倉渕村とともに高崎市に編入されました。当初は隣接する藤岡市との合併交渉が行われていましたが、決裂。その後、隣接していなかった高崎市との合併が決定し、現在は高崎市の中に飛び地として存在しています。

地理

新町の地理的な特徴として、かつて隣接していた自治体は、群馬県の藤岡市、佐波郡玉村町、埼玉県の児玉郡上里町でした。烏川、神流川の氾濫原であるため、洪水が多かった歴史があり、原始・古代の史跡は多く残されていません。

歴史

新町の歴史は古く、古代には高足郷、升茂郷が当地に比定されています。戦国時代には、この地で滝川一益と後北条氏が戦いました（神流川合戦）。江戸時代には、加賀藩前田氏により加賀街道が開かれ、落合・笛木に宿場の町並みが形成されました。1654年には加賀街道が中山道となり、1724年には新町宿が中山道の正式な宿場となっています。

明治時代に入ると、新町紡績所が開業し、1883年にはJR高崎線新町駅が開業。群馬県内で最初に開業した駅となりました。1889年の町村制施行により新町が成立し、2006年に高崎市へ編入されるまで、その名が受け継がれました。

地域

新町には、ハーゲンダッツ ジャパン群馬工場やガトーフェスタハラダ本社といった企業が拠点を置いています。教育機関としては、小学校（現在は高崎市立新町第一小学校、新町第二小学校）、中学校（高崎市立新町中学校）、上武大学経営情報学部があります。

交通

新町には、JR高崎線の新町駅があり、国道17号、群馬県道40号藤岡大胡線、群馬県道131号児玉新町線、群馬県道178号中島新町線が通っています。

新町出身の有名人

新町出身の有名人としては、声優の富沢美智恵さん、群馬テレビアナウンサーの吉江まりもさん、落語家の柳家紫文さん、作家の金鶴泳さんがいます。

新町を舞台とした作品

新町を舞台とした作品としては、テレビドラマ「木曽街道いそぎ旅（第3話）」や「昭和四十六年 大久保清の犯罪」があります。

新町は、歴史的な宿場町の面影を残しつつ、近代的な産業も発展した地域です。高崎市の一部となった今も、その歴史と文化は大切に受け継がれています。

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