日本とチリの関係

日本とチリの関係

日本とチリの関係は、19世紀にまで遡ることができます。1897年9月25日に日本チリ修好通商航海条約が締結され、正式な国交が樹立されました。しかし、第二次世界大戦中の1945年4月11日にチリが日本に宣戦布告したことで、両国は一時的に交戦国となりました。その後、1952年10月17日に外交関係が再開され、現在に至るまで両国は友好的な協力関係を維持しています。

経済関係

チリは世界有数の銅産出国であり、国営の銅鉱山会社コデルコを擁しています。その銅の生産量は、世界第2位の中国、第3位のペルー、第4位のアメリカ合衆国を合わせた規模を上回るほどです。また、銅の副産物であるモリブデンの生産量も、世界第3位を誇ります。さらに、チリは南北に長い海岸線を持つため漁業も盛んで、年間漁獲量は世界トップ10に入るほどです。農林業も重要な産業であり、これらの生産物は日本への主要な輸出品目となっています。

具体的には、銅、サケ、マス、木材、モリブデンなどが主な輸出品目です。近年では、ワインの輸出も増加しており、2015年にはフランスを抜いて日本へのワイン輸出国第1位となりました。一方、日本からチリへの主な輸出品目は、自動車、自動車部品、建設機械、鉱山機械などです。

経済連携の強化も進んでおり、2007年3月には日チリ経済連携協定（EPA）が、2016年1月には日・チリ租税条約が締結されました。

要人往来

両国間の要人往来も活発に行われています。2010年11月には、チリのセバスティアン・ピニェラ大統領をはじめとする要人が日本を訪問し、当時の前原誠司外相や菅直人首相と会談を行いました。

人的交流

人的交流も両国関係の重要な要素です。1940年には、三宅哲一郎元駐チリ特命全権公使によって日智協会（日本チリ協会）が設立され、初代会長には紀伊徳川家の徳川頼貞侯爵が就任しました。

チリには、少なくとも2000人以上、日本外務省の調査では約3000人の日系人が在住しています。ブラジルやペルーに比べるとその規模は小さいものの、カルロス・オミナミ上院議員やセルヒオ・ナカソネ映画監督など、各界で活躍する人物も輩出しています。

また、チリの首都サンティアゴには、アジェンデ政権時代に創立された日本語補習校を起源とするサンチャゴ日本人学校があり、日本文化の継承に貢献しています。

外交使節

両国はそれぞれ大使館を設置し、外交関係を円滑に進めています。以下は、過去の駐日チリ大使・公使の一覧です。

カルロス・モルラ・ビクーニャ（1899～1900年）公使
アルフレド・イララーサバル・サニャルトゥ（1912～1913年）公使
ロベルト・スアレス・バロス（1957～1964年）大使
セルヒオ・シルビア・ピデリット（1964～1965年）臨時代理大使
アウグスト・マランビオ・カブレラ（1966～1971年）大使
オスカル・ピノチェト・デ・ラ・バラ（1971～1974年）大使
カルロス・ベサ・リオン（1974～1976年）大使
ハコボ・ネウマン・エティエンネ（1976～1979年）大使
セサル・ルイス・ダンジャウ（1979～1982年）大使
エドゥアルド・ブラボ・ウッドハウス（1982～1986年）大使
グスタボ・ポンセ・レロウ（1987～1990年）大使
イータロ・スニーノ（1990～1991年）大使
エルナン・ペドロ・タッサラ・ヒメネス（1991～1992年）大使（信任状未提出）
エドゥアルド・ロドリゲス・グアラチ（1992～1994年）大使
ハイメ・ラゴス・エラソ（1994～1998年）大使
デメトリオ・インファンテ・フィゲロア（1998～2004年）大使
マウリシオ・ウンベルト・レオネ・ブラボ（2004年）臨時代理大使
ダニエル・カルバージョ・セペルニク（2004～2010年）大使
パトリシオ・トーレス・エスピノサ（2010～2016年）大使
フェリペ・ディアス（2016～2017年）臨時代理大使
グスタボ・アジャレス・オッサンドン（2017～2018年）大使
フェリペ・ディアス（2018～2019年）臨時代理大使
フリオ・フィオル・スニガ（2019～2021年）大使
ルイス・アルベルト・パルマ・デラセルダ（2021年）臨時代理大使
リカルド・ロハス（2021年～）大使

関連情報

日系チリ人
サンチャゴ日本人学校
在チリ日本国大使館
駐日チリ大使館

外部リンク

在チリ日本国大使館, 同（スペイン語）
駐日チリ共和国大使館（スペイン語）
日智商工会議所, 同（スペイン語）

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