日本と中央アフリカの関係

日本と中央アフリカ共和国の関係

日本と中央アフリカ共和国の関係は、政治、経済、文化など多岐にわたります。両国は地理的に離れており、歴史的な接点は少ないものの、近年では要人往来や経済支援などを通して関係を深めています。

両国の比較

歴史

中央アフリカ共和国は1960年8月13日にフランスから独立し、日本は同国を国家承認しました。1968年6月12日には駐日中央アフリカ共和国大使館が東京に開設され、1974年1月25日にはバンギに在中央アフリカ共和国日本国大使館が開設されました。

しかし、両国間の交流は十分とは言えず、1992年12月14日には駐日中央アフリカ共和国大使館は閉館。その後、東京都世田谷区に名誉総領事館が置かれました。また、2005年1月1日には現地の情勢悪化により、日本側も在中央アフリカ共和国日本国大使館を廃止しました。以降、中央アフリカ共和国に関する業務は、カメルーンのヤウンデにある在カメルーン日本国大使館が兼轄しています。

外交

日本要人の中央アフリカ訪問

中央アフリカ共和国の政情不安のため、長らく日本要人の訪問は途絶えていました。しかし、2018年5月5日から6日にかけて、佐藤正久外務副大臣が34年ぶりに中央アフリカを訪問し、フォースタン＝アルシャンジュ・トゥアデラ大統領を表敬訪問しました。また、ドゥバンヌ外務・在外国民大臣、モルア経済計画・協力大臣と会談を行い、中央アフリカの情勢や人道・経済支援について意見交換を行いました。

中央アフリカ要人の訪日

2008年には、フランソワ・ボジゼ大統領がアフリカ開発会議（TICAD）のため訪日し、当時の福田康夫首相と首脳会談を実施しました。2019年にも、トゥアデラ大統領がTICADのために訪日し、安倍晋三首相との間で11年ぶりとなる日・中央アフリカ首脳会談が行われました。

また、2007年にはズマラ外務・地域統合・仏語圏大臣が訪日し、麻生太郎外務大臣との間で外相会談と夕食会が開催されました。この会談では、日本の国連常任理事国入りに対し、中央アフリカ側から強い支持が得られたほか、円借款債務の免除に関する交換公文の署名・交換式も行われました。2018年にはドゥバンヌ外務・在外国民大臣が訪日し、河野太郎外務大臣と会談し、中央アフリカへの経済支援について話し合われました。

経済交流

両国は地理的に遠く、経済的な繋がりも少ない状況です。中央アフリカ共和国は経済的に後発開発途上国であり、一人当たりの所得も低いため、市場としては未開拓な部分が多いです。そのため、中央アフリカに進出している日本企業はほとんどなく、経済交流は主に貿易と経済支援に限られています。

日本は中央アフリカに対し、2019年までに累計400億円以上の経済援助を実施しています。例えば、初等教育就学率が低い中央アフリカの現状を鑑み、2009年には無償資金協力として「小学校建設計画（11.87億円）」が実施されました。1998年から1999年にかけては、中央アフリカとカメルーンを結ぶ「3号国道舗装計画」が実施され、総額24.2億円の無償資金協力によって中央アフリカの物流が活性化されました。

貿易面では、2019年の中央アフリカの対日貿易は、輸出額1.39億円、輸入額1.57億円と、わずかに中央アフリカ側の赤字となっています。主要な輸出品は木材、主要な輸入品は機械類などです。

文化交流

1980年代には、中央アフリカのバスケットボールチームの招聘、柔道使節の派遣、文化無償資金協力による体育機材や視聴覚機材の供与が行われました。2005年には、文化事業としてバンギ映画祭が開催されました。

外交使節

駐中央アフリカ日本大使

現在、在カメルーン日本国大使館が兼轄

駐日中央アフリカ大使

クレマン・セヴォ・マッシシア（1968年～1970年）
クリストフ・マイドゥ（1970年～）
（臨時代理大使）ノエル・エレガニ（1989年以前～）
空席（1992年～）

参考文献

中央アフリカ共和国（Central African Republic）基礎データ - 外務省

関連項目

日本の国際関係
中央アフリカ共和国の国際関係
中央アフリカ共和国

外部リンク

在中央アフリカ日本国大使館
在中央アフリカ日本国大使館 (英語)
在中央アフリカ日本国大使館 (フランス語)
* 中央アフリカ共和国名誉総領事館

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