日本侠客伝

日本侠客伝

1964年8月13日に公開された『日本侠客伝』は、東映が製作した任侠映画シリーズの第1作です。監督はマキノ雅弘、主演は中村錦之助と高倉健が務めました。この作品は、明治から大正時代にかけての東京・深川を舞台に、義理と人情の世界で生きる侠客たちの姿を描いています。

あらすじ

物語は、深川の木場で古くから運送業を営む木場政組と、新興勢力である沖山運送との対立から始まります。沖山運送は近代的な経営を装いながらも、実際にはやくざ同然の強引な手口で客や馬力を奪っていました。木場政組の親分、伊井友三郎の元には、かつて木更津のヤクザから逃げてきた客分の清治がいました。親分は、出征中の辰巳の長吉の帰りを心待ちにしていましたが、無念にも世を去ります。

復員した長吉は木場政組の小頭となりますが、沖山運送の乱暴な行為は後を絶ちません。怒りを抑えきれない清治は単身で沖山運送に乗り込みますが、無残にも殺されてしまいます。その悲惨な光景を目の当たりにした長吉は、組の解散を決め、残された若衆たちと共に、沖山兄弟への復讐を誓います。この一連の事件は「深川事件」として新聞にも報道され、世間を騒がせることとなりました。

キャスト

清治：中村錦之助
鉄砲虎：松方弘樹
ポンポンの繁：津川雅彦
赤電車の鉄：長門裕之
お咲：三田佳子
粂次：南田洋子
おふみ：藤純子
銀次：品川隆二
木場政：伊井友三郎
おしま：ミヤコ蝶々
質屋「伊勢屋」の主人：南都雄二
お柳：藤間紫
沖山仁三郎：安部徹
弘法常：大木実
鶴松：田村高廣
辰巳の長吉：高倉健

スタッフ

監督：マキノ雅弘
脚本：笠原和夫、野上龍雄、村尾昭
企画：俊藤浩滋、日下部五朗
撮影：三木滋人
照明：中山治雄
録音：中山茂二
美術：鈴木孝俊
音楽：斎藤一郎
編集：河合勝巳

作品の特徴

本作は、任侠映画の代表作として知られ、その後のシリーズ作品へと繋がる重要な作品です。中村錦之助と高倉健という、当時のスター俳優が共演したことも話題となりました。また、監督のマキノ雅弘の演出と、笠原和夫らの脚本によって、義理と人情の世界が深く描かれています。深川の街並みを再現した美術や、迫力あるアクションシーンも見どころです。

その他

同時上映作品：『御金蔵破り』（出演：大川橋蔵・片岡千恵蔵、監督：石井輝男）
フォーマット：富士フイルムカラー、シネマスコープサイズ

外部リンク

日本侠客伝 - 日本映画データベース
日本侠客伝 - allcinema
日本侠客伝 - KINENOTE
* Nihon kyokaku-den - IMDb（英語）

もう一度検索