日本共産党第5回全国協議会

日本共産党第5回全国協議会（五全協）

日本共産党第5回全国協議会、通称「五全協」は、1951年10月16日から17日にかけて行われました。この会議は、日本共産党がその後の活動方針や戦略を決定づける非常に重要なものでした。

背景

五全協が開かれる前の1951年初頭、日本共産党は内部での議論や方針転換が進行していました。特に、1949年に始まったレッドパージ（共産主義者の排除）によって多くの党員が困難な状況に置かれ、この時期に中国に亡命した徳田球一を中心にしたグループが「北京機関」を設立しました。彼らは共産党の主流家に影響を与え、1951年2月23日に行われた第4回全国協議会（四全協）で、反米武装闘争の方針を明確にしました。この決議により、全国の農村で「解放区」の組織化が指示されました。

五全協の決定事項

五全協では、四全協の意志を受け継ぎ、「平和な手段で日本の解放と民主的変革を達成できるとの考えは誤りです」と明言し、農村部におけるゲリラ戦の展開を方針として採択しました。また、『日本共産党の当面の要求――新しい綱領』（51年綱領）が採択され、党は「武装の準備と行動を開始する」に至る軍事方針を明文化しました。これは党の運動に新たな局面をもたらすものとされました。

51年綱領の採択と影響

五全協では、「51年綱領」が無修正で採択されました。この綱領においては、武装闘争の必要性を強調し、暴力革命の路線が打ち出されました。この方針のもと、全国各地で様々な事件が頻発し、党は山村工作隊や中核自衛隊などの非合法な組織を形成しました。また、1952年からは火炎瓶を用いた闘争が展開されるなど、武装闘争が現実のものとなりました。特に「民族解放民主革命」を理想とし、日本民族の独立を最優先に掲げたこの武装綱領は、党内外に大きな影響を及ぼしました。

六全協への転換

しかし、一方で党内の方針は後の1955年7月に行われた日本共産党第6回全国協議会（六全協）において大きく転換します。この六全協では、従来の武力闘争路線が180度転換され、平和路線が採択されました。この決定は、五全協での方針とは対照的であり、党の未来に関わる重要な節目となりました。

五全協は、日本共産党の歴史の中で重要な意味を持つ出来事であり、特に当時の政治情勢や社会状況の中で、その動きは議論を呼ぶものでした。その後の党の活動や方針にも少なからぬ影響を与えたといえるでしょう。

参考文献

• - 立花書房 編『新 警備用語事典』
• - 兵本達吉『日本共産党の戦後秘史』

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