日本労農党

日本労農党の歴史と特徴

日本労農党（にほんろうのうとう）は、昭和初期に存在した中間派の無産政党で、1926年から1928年の短い期間活動していました。略称として日労党（にちろうとう）とも呼ばれ、その影響力は理念や政策において日本の政治に一定の足跡を残しました。

結成の背景

1926年12月9日、日本労働総同盟と日本農民組合の中間派が一緒になり、日本労農党を立ち上げることに決定しました。この動きは、同年11月に社会民衆党の結成方針が発表されたことに対する反発から始まりました。特に、労働総同盟内の麻生久をはじめとする幹部たちは、新たな政治的立場を求めて活動を始めました。

初期の活動と方針

日本労農党の初代書記長には三輪寿壮が就任し、他にも幹部には麻生久や浅沼稲次郎、山名義鶴といった重要人物が名を連ねていました。党の結成により、労働総同盟から除名されたほかの組合とともに日本労働組合同盟を組織しました。この組織は、労働者と農民の権利を保護するために活動を行い、具体的な政策として対華不干渉や電灯料金の減額を提唱しました。

政治的成果と分裂

1928年に行われた第1回普通選挙では、2議席を獲得するも、党としての成果はあまり顕著ではありませんでした。このため、同年12月には他のいくつかの政党と合同し、日本大衆党へと発展し、その後も1930年には全国大衆党、さらに1931年には新労農党と合併して全国労農大衆党として新たなスタートを切ります。

結成メンバーの影響

日本労農党に参加したメンバーたちは「旧日労系」として知られるようになり、戦後には日本社会党の中間派における重要な基盤を形成しました。彼らの活動や思想は、後の日本の政治において一定の影響を及ぼし、特に戦後の社会党の発展に寄与しました。

参考文献

• - 三輪寿壮『総選挙を中心とする吾党活動要綱』日本労農党本部、1928年。
• - 土穴文人「<研究ノート>「労働農民党」結党・分裂と労働組合の動向」『社會勞働研究』第14巻第1号、法政大学、1967年。
• - 三輪建二『祖父三輪寿壮ー大衆と歩んだ信念の政治家』 鳳書房、2017年。

関連項目

• - 日本の政党一覧
• - 社会党中間派
• - 労働農民党
• - 社会思想社

もう一度検索