日本協同党

日本協同党の概要

日本協同党は1945年12月に設立された中道政党であり、主に協同組合主義と労使協調を基本理念としています。この政党は賀川豊彦の提唱により設立され、彼が関連する共栄火災海上保険株式会社の社長である井川忠雄が関与したことから、同社の本支店に県本部が置かれることになりました。

設立当初、党の実質的な活動は賀川の地元である兵庫県を中心に行われました。特に、灘消費購買組合や神戸消費購買組合が拠点として重要な役割を果たしていました。この党は、協同民主主義を掲げ、戦後の日本における破壊された産業や文化を再建するため、協同組合がその中心になることを訴えました。

結党メンバーには、船田中や赤城宗徳、井川忠雄などが名を連ねています。これらのメンバーは、戦時中に東条英機に対抗した護国同志会の出身者であり、また千石興太郎や黒沢酉蔵らも参与しました。彼らは、戦後の新たな体制を担う存在になると考えたのです。

しかし1946年1月4日に、GHQが黒沢、船田、千石などを公職追放とする決定を下しました。その結果、日本協同党の指導陣は大きな危機に直面します。ただし、井川忠雄と北勝太郎は追放を免れました。この状況を受けて、日本協同党は2月23日に緊急幹部会を開き、党の再建に向けた取り組みを決定しました。井川は、日本協同党が自由党の左派、社会党の右派であるとし、協同主義の理念に基づく統一的な行政の必要性を訴えました。

1946年4月10日に行われた第22回[[衆議院議員総選挙]]では、日本協同党は94名の候補者を立てましたが、結果として当選したのはわずか14名でした。この選挙結果を受けて、党は社会党との連携以外にも無所属議員との統合を模索するようになります。

新たに選出された執行部では、山本実彦が中央委員長、北勝太郎が副委員長、井川忠雄が書記長に就任しました。その後、無所属議員を中心に院内会派である大同倶楽部が結成され、さらに日本協同党との合同を目指す動きが見られました。しかし、この動きは党内の農村派の反発により一時的に停滞しました。

しかし最終的には、日本協同党、日本農本党、大同倶楽部などの小さな派閥が集まり、協同組合主義を党是とする新政党である協同民主党の設立に合意しましたが、大同倶楽部の議員から反対意見が上がり、多くが新党設立を目指して活動を続けました。このような流れの中、1947年に協同民主党と国民党が合同し、国民協同党が成立しました。

日本協同党は、日本の政党の中で独特な位置を占め、戦後の政治体制や政策形成において重要な役割を果たしました。その理念や政策は、当時の日本社会に深い影響を及ぼし続けました。今後の日本政治の流れにも、この政党の影響が見て取れることが期待されます。

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