護国同志会

護国同志会の概要

護国同志会（ごこくどうしかい）は、1945年3月11日に設立された日本の政治団体で、同年8月15日に解散しました。この団体の会長は井野碩哉が務めましたが、実質的には岸信介が中心となって活動していました。

設立の背景

1945年に入り、太平洋戦争の敗北が現実味を帯びてくると、東條英機や大麻唯男などの政治家たちは「一国一党」体制の形成を目指す動きを強めました。彼らは翼賛政治会の幹部として参加し、大日本政治会を結成しようとしましたが、岸信介らはこの流れには加わらず、護国同志会を新たに結成しました。

護国同志会には、多方面からの議員たちが集まりました。小会派に所属していた議員では赤城宗徳や小山亮、木村武雄、永山忠則、今井新造がいます。また、翼賛選挙で初当選した井野碩哉、橋本欣五郎、池田正之輔、中谷武世らも名を連ねていました。さらに、立憲政友会や社会大衆党に属していた議員たちも参加し、彼らは反東條を掲げて結集していたのです。

政治団体としての承認

護国同志会は内務省から政治団体としての承認を受けることができませんでしたが、陸軍の青年将校たちの支持を受けて活動を継続しました。この団体は鈴木貫太郎内閣に対する倒閣運動を画策しており、第87回帝国議会では、小山亮が鈴木総理の演説についての釈明を求めて議論が紛糾しました。護国同志会も鈴木内閣を非難する声明を発表し、これが倒閣運動の一環として位置づけられています。

しかし、実際には大日本政治会が与党として活動していたため、護国同志会の運動は成功を収めることができませんでした。倒閣運動が政局の不安定を招く恐れがあったため、陸軍は南次郎が総裁を務める大日本政治会を通じて護国同志会の解散を促しました。

解散とその後

護国同志会は、8月7日に南次郎と井野碩哉が会談を行い、合同の可能性について話し合った結果、8月15日には大日本政治会との合同が決まることとなりました。しかし、同日の日本の終戦を受けて、大日本政治会も解散する方針が決まったため、護国同志会は合同しないまま活動を終了しました。これにより、護国同志会は約5ヶ月の短命で幕を閉じました。

戦後、護国同志会のメンバーを中心に日本協同党が結成されることとなりますが、彼らは反東條であったものの戦争の継続を支持していたため、多くのメンバーが公職追放の対象となってしまいました。

脚注

さらに、護国同志会と関連するいくつかの団体が存在しており、興国同志会や翼壮議員同志会、日本協同党、公職追放などがそれにあたります。これらの団体は、日本の政治史において重要な役割を果たしています。

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