日本橋室町東地区開発

日本橋室町東地区開発

日本橋室町東地区開発は、東京都中央区日本橋室町二丁目で進行中の都市再生特別措置法に基づくプロジェクトです。事業を手がけるのは三井不動産と野村不動産などで、その基本的なコンセプトは「残しながら、蘇らせながら、創っていく」というものです。近年、このプロジェクトの成果が認められ、第57回BCS賞や2015年度グッドデザイン賞を受賞しました。

この開発は、日本の歴史と文化の中心地であった日本橋の再生・活性化を目指しています。特に、地域の歴史や文化を尊重しつつ、地域に新たな文化を発信する拠点としての役割を果たしています。また、地域内には異なる地権者から成る5つのエリアが都市再生特区に指定されていますが、これが一つのプロジェクトで行われるのは珍しいケースです。

再開発が進む中、年間を通して多くの観光客や地域住民を引き寄せるために、高齢化している伝統的な商業施設の営業時間を制限し、土日に営業を行わない老舗の店舗を通じた集客力を強化することを目指しています。そのため、大型商業店舗の建設により、地域に新たな活気をもたらすことを意図しています。

具体的には、室町東三井ビルディング（COREDO室町）と日本橋室町野村ビル（YUITO）が完成し、今後さらに千疋屋日本橋ビルや福徳神社の整備が計画されています。これにより、中央通りや江戸桜通りなど公共スペースの整理整頓も同時に行う予定です。

建築概要

室町東三井ビルディング（COREDO室町）

このビルは、2009年3月に着工され、2010年9月に竣工、10月1日に開業しました。来館者数は年間500万人、売上は40億円を見込んでいます。

• - 所在地: 東京都中央区日本橋室町2丁目2-1
• - 設計: 日本設計（統括設計者）、清水建設、團紀彦建築設計事務所
• - 施工: 清水建設・錢高組JV
• - 最高高さ: 105m
• - 敷地面積: 2,454.4m²
• - 延床面積: 約41,000m²
• - 階数: 商業施設は地下1階から4階にあり、5・6階には日本橋三井ホールが併設されています。オフィスは10階から22階にかけて設置されています。

日本橋室町野村ビル（YUITO）

このビルは、2008年10月に着工し、2010年9月30日に竣工しました。新生銀行本店や大型店舗「ジョージ・ジェンセン」が入居しています。

• - 所在地: 東京都中央区日本橋室町2丁目4-3
• - 設計: 野村不動産、日建設計
• - 施工: 大林組、野村建設工業JV
• - 最高高さ: 108m
• - 敷地面積: 2,744.31m²
• - 延床面積: 46,421.37m²
• - 階数: 地下1階から21階までの商業・サービス施設とオフィスゾーンとなっています。

地下も充実しており、飲食や物販フロアが整備されています。

福徳神社と薬祖神社

地域の歴史を象徴する存在である福徳神社は、859年から876年の間に創建された由緒正しい神社で、かつては源義家や徳川家康が訪れた記録も残っています。しかし、戦後の高度経済成長によりその敷地は縮小され、ビル内に神殿を移すなどの変遷を経ました。その後、再開発の一環として新たな社殿が建設され、地域の人々の信仰も再生されました。

一方、薬祖神社は医薬の祖神を祀る神社で、福徳神社の鎮守の森として整備され、医薬関係者によって大切にされています。

今後の展望

三井不動産は2014年に「日本橋再生計画」の第2段階を発表し、さらに新たな再開発エリアを計画中です。これには、2023年以降に完成が予定される様々な施設が含まれており、日本橋地区が引き続き地域の歴史と文化を支える重要な場であり続けることが期待されています。

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