團紀彦

團紀彦：国際的に活躍する建築家とその家系

團紀彦氏は、1956年生まれの日本の建築家です。著名な作曲家、團伊玖磨氏の次男として神奈川県葉山町で生まれました。東京大学工学部卒業後、同大学院で建築を学び、槇文彦氏に師事。その後、イエール大学大学院に留学し、帰国後、自身の建築設計事務所を設立しました。

受賞歴と建築設計

團氏は、日本建築学会賞業績賞、吉岡賞、JIA新人賞など数々の賞を受賞しており、その建築設計の卓越性は高く評価されています。主な作品として、台湾日月潭の向山ビジターセンター（台湾建築賞受賞）、京都アクアリーナ、ヴィラ森井（吉岡賞受賞）、八丈島のアトリエ（JIA新人賞受賞）、佐世保更生保護会収容施設「白雲」、日吉ダム周辺整備（日本建築学会賞受賞）、ウトコリミテッド室戸工場（アルカシア建築賞ゴールドメダル受賞）、台湾桃園国際空港第一ターミナル改修工事ビル（台湾建築賞受賞）などがあります。これらの作品は、国内外で高い評価を得ています。

環境問題への意識と社会貢献

建築設計活動に加え、團氏は土木と建築の融合や新町屋論など、建築と環境の関係性の改善に関する提言を積極的に行っています。愛知万博の計画では初期の会場構想に携わり、海上の森の保全においては環境保全を重視し、従来の開発手法を批判しました。この活動は、長野県知事を務めた作家、田中康夫氏との関係にも繋がっています。

現在、團氏は、軽井沢町の都市と自然環境保全のためのマスターアーキテクトを務めています。2018年に発足した非営利団体『国際文化都市整備機構（FIACS）』の理事も務め、各地のまちづくりにも貢献しています。これらの活動は、氏の建築家としての枠を超えた社会貢献への強い意志を示しています。

国際的な活動と造形論

台湾桃園国際空港と日月潭の国際コンペで一等を獲得するなど、国際的なプロジェクトにも数多く関わってきました。同時に、“ユニヴァーサルフォーム論”や“多元的世界と建築”などの造形論に関する論文も発表し、国際的に注目されています。日月潭向山ビジターセンターは、台湾国内で高く評価され、人気観光スポットとなりました。

著名な家系

團氏は、著名な家系に生まれたことでも知られています。曾祖父は三井合名理事長で血盟団事件で暗殺された團琢磨氏、祖父は参議院議員の團伊能氏、祖母は宮内省大膳頭を務めた上野季三郎氏の五女です。大叔父は生物学者の團勝磨氏、異母兄は群馬大学教授の團名保紀氏、娘はタレントの團遥香氏です。

さらに、親戚関係は非常に幅広く、セイコーの創業者一族・服部家、三菱財閥の創業者一族・岩崎家、住友財閥の創業者一族・住友家、ブリヂストンの創業者一族・石橋家、そして鳩山家など、日本を代表する名家と繋がっています。

著作活動

建築活動に加え、團氏は「都市の未来-21世紀型都市の条件」、「東京論」、「共生の都市学」などの著書、そして小説「るにんせん」も発表しています。これらの著作を通して、氏の建築への思想や都市への展望を示しています。

まとめ

團紀彦氏は、建築家として卓越した才能と実績を持ち、同時に環境問題への強い意識と社会貢献への情熱を持つ人物です。著名な家系に生まれながらも、自身の努力と才能で建築界における地位を確立し、国際的な活躍を続けています。その活動は、建築の枠を超えて、現代社会における都市や環境問題を考える上で重要な示唆を与えてくれます。

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