日本IBM藤沢事業所

日本IBM藤沢事業所の歴史

日本IBM藤沢事業所は、かつて神奈川県藤沢市桐原町に存在した、日本アイ・ビー・エム（日本IBM）の重要な事業拠点でした。この事業所は、コンピュータ関連の工場と開発研究所を併設しており、日本の情報技術の発展に大きく貢献しました。

設立と発展

1967年、日本IBMは藤沢市桐原町に工場を設立しました。この地は、桐原工業団地の一角であり、近くにはいすゞ自動車の主要工場も位置しています。藤沢工場が設立される以前、日本IBMは東京都大田区に輸入調整工場を設立し、その後千鳥町工場へ移転していました。そこで、パンチカードシステム、IBMカード、IBM 1440などの製品を製造していました。藤沢工場は、これらの工場から製造機能を移管する形で設立されました。

藤沢工場では、パンチカードシステム、IBM 1440、IBM System/360 モデル40、2701端末制御機、端末機、そしてApple Macintosh PowerBook 2400cなどの製品が製造されました。1971年にIBM野洲工場が稼働を開始すると、System/360、System/370、IBM 4341などの大型コンピュータの製造は野洲工場に移管されました。これにより、多くの社員が関西地方へ転勤することとなりました。

その後、藤沢工場ではIBM 5550、IBM JX、IBM ThinkPadなどのパーソナルコンピュータ関連製品、そしてハードディスクの製造を担いました。しかし、2002年12月、日立製作所がIBMのハードディスク部門を買収したことにより、日本IBM藤沢事業所は日立グローバルストレージテクノロジーズ（日立GST）へ売却されました。

藤沢開発研究所

1972年には、新製品・サービスを開発するIBM日本開発研究所が開設されました。当初は藤沢駅周辺に設置されましたが、1975年には藤沢事業所内の工場に隣接する場所に移転し、IBM藤沢開発研究所となりました。

藤沢開発研究所では、世界向けの製品としてIBM 3767（プリンター端末機）、IBM 3276（表示・制御装置）、IBM 3101（表示端末）などを開発しました。また、日本および東アジア向けの製品として、IBM漢字システムや韓国・台湾向けシステム、マルチステーション5550、IBM JXなどが開発されました。これらの製品は、当時の情報化社会の進展に大きく貢献しました。

1985年、藤沢開発研究所は新築されたIBM大和事業所へ移転し、IBM大和開発研究所と改称されました。

事業所の変遷

日本IBM藤沢事業所は、その歴史の中で所有者が何度か変わっています。日立製作所によるハードディスク部門の買収後、日立GSTはウエスタンデジタル（WD）に買収されました。これにより、事業所は株式会社HGSTジャパンへと商号変更し、その後WDに吸収されました。現在はウエスタンデジタルテクノロジーズ合同会社の一部門として、その歴史を刻んでいます。

現在の状況

現在、日本IBM藤沢事業所があった場所は、ウエスタンデジタルテクノロジーズ合同会社の事業所となっています。かつての日本IBMの事業所としての役割は終えましたが、その技術と歴史は、現在の情報技術を支える基盤となっています。

アクセス

かつての日本IBM藤沢事業所へのアクセスは、小田急江ノ島線、相鉄いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインの湘南台駅西口から徒歩15分、または神奈川中央交通バスで5分、「石川山田」下車です。

協力会社

藤沢工場には、株式会社アイメス（IMES）が協力会社として存在しました。

関連項目

日本IBM
IBM
日本IBM大和事業所
日本IBM野洲事業所
三井信雄 - IBM日本開発研究所初代所長

外部リンク

日本IBM 創立から80年の軌跡

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