日産・グロリア

グロリア（GLORIA）

グロリアは、1959年から2004年まで日産自動車（旧プリンス自動車工業）によって製造・販売されていた高級乗用車です。この車種は、当初は初代スカイラインの派生モデルとして登場しましたが、その後、セドリックの姉妹車として知られるようになり、「セド・グロ」として広く親しまれました。グロリアは一般的な自家用車としてのみならず、タクシー、ハイヤー、パトカー、教習車など多様な用途でも活用されており、同クラスのトヨタ・クラウンとの競合も続きました。

初代 LSI型/S3型（1959年 - 1962年）

初代グロリアは、1959年に登場し、プリンス自動車工業によって製造されました。当初はALSI型スカイラインのシャシーとボディをベースに、内外装を高級化したモデルです。1959年1月に初代モデル（BLSIP-1型）が発表され、直列4気筒エンジン（1,862cc、80馬力）が搭載されました。このモデルは、戦後日本で初めての3ナンバー車であり、また時の皇太子に納入されるなど、多くの注目を集めました。

2代目 S40型系（1962年 - 1967年）

1962年には、デザインが大きく変わり、幅広で低重心の特徴を持つS40型へ移行しました。その外観は、当時の流行から影響を受け、見た目のインパクトを追求しました。また、エンジンの選択肢も広がり、6気筒モデルが新たに加わりました。このモデルでは、特に宮内庁に多数納入され、高級車としての位置付けが確立されました。

3代目 A30型系（1967年 - 1971年）

3代目モデルは、車名が「ニッサン・グロリア」に変わり、フロントデザインが特徴的なデザインが評価されました。このモデルも競合他社との競争の中で進化を遂げ、国内初の全面カーブドガラスを採用したことが挙げられます。

4代目 230型系（1971年 - 1975年）

このモデルの登場以降、グロリアはセドリックと基本構造を統一し、姉妹車としての位置づけが決定的になりました。エンジンバリエーションも豊富で、様々なニーズに応える設計が特長です。

5代目 330型系（1975年 - 1979年）

環境規制に対応したエンジン設計に移行し、特に市場需要の変化に適応していきました。この時期、デザイン面でも時代のトレンドを反映した更新が行われました。

6代目 430型系（1979年 - 1983年）

このモデルでは、印象的なエンジン制御システムが導入され、また日本初のターボエンジンを搭載したことが新しい特長となっています。

7代目 Y30型系（1983年 - 1999年）

長年に渡って人気を博した直列6気筒エンジンを搭載し、様々なグレードに応じたバリエーションが豊富でした。このモデルは官公庁の公用車としても多く使用されました。

8代目 Y31型系（1987年 - 1999年）

この代からセダンとハードトップが共存し、内装と外装の両面で高級感を強調したデザインが受け入れられました。特にスポーティな印象と高性能が一体化された設計が特徴的です。

9代目 Y32型系（1991年 - 1995年）

このモデルで高級感がさらに増し、グランツーリスモ系の導入により多様なニーズに応える一方で、全車オートマチック[[トランスミッション]]が採用された点も重要です。

10代目 Y33型系（1995年 - 1999年）

新世代エンジンの搭載により、燃費やパフォーマンスの改善がなされ、いくつかの特別仕様車も登場し、さらなるブランド価値を高めました。

11代目 Y34型系（1999年 - 2004年）

グロリアの最後のモデルとなるこの時代には、先進的な技術が多く導入され、特に安全性や利便性の向上が図られました。エンドユーザーの期待に応える高級感と性能を持つ車両でした。最終的にはフーガにバトンタッチし、長い歴史に幕を閉じました。

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車名の由来

グロリアの名称は、当時の皇太子と皇后の成婚を記念して付けられたもので、ラテン語で「栄光」を意味します。

取扱販売店

グロリアは、プリンス店や全系列取扱店での販売が行われており、日産のディーラー統合後も広く愛用され続けました。

これまでグロリアは、自動車以外の様々な用途で支持され、数々のモデルを通じて日本の自動車史に名を刻んできました。

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