日産・H型エンジン

日産・H型エンジン

日産自動車が開発したH型エンジンは、1960年から2003年までの約45年間にわたり製造されていた直列4気筒のOHVエンジンです。このエンジンは、日産車において様々なバリエーションで利用され、商用車から乗用車、さらにはフォークリフトまで幅広い用途に対応していました。

エンジンの歴史と特徴

H型エンジンの原型は、日本自動車工業時代に太田祐一ら旧オオタ自動車工業の技術者によって開発されました。その後、東急くろがね工業に組織変更され、1960年に初代30型セドリックの搭載エンジンとして、排気量1,883ccのH型が登場しました。エンジンは鋳鉄製のシリンダーブロックと3ベアリング式のクランクシャフトを使用しており、簡潔で堅牢な設計が特徴です。

シリンダーヘッドも鋳鉄製ですが、後に開発されたK型エンジンにはアルミ合金製のシリンダーヘッドが用いられています。H型エンジンは高トルクを発揮するため、特にタクシーや商用車、さらにはフォークリフトにまで広く採用されました。

バリエーション

このエンジンには数多くのバリエーションがあります。例えば、H型エンジンの中でも最も製造されたモデルがH20で、1,982ccの排気量を持ち、99馬力を出力しました。これにより、1965年から1975年にかけてのセドリックやグロリアなど、多くの日産車に搭載されました。

H型の派生モデルには、排気量や仕様を変更した多くのバリエーションが存在します。例えば、H20PはLPG仕様で、商用車向けに設計されています。また、H15やH20-IIはそれぞれ小排気量化されたフォークリフト用エンジンです。

H型エンジンの一部は、日産ディーゼル（現在のUDトラックス）によっても製造されており、SDエンジンはH型とシリンダーブロックの基本設計を共有しています。

他の型式との関連

H型エンジンからは、R型やU型、さらにK型といった型式が派生しています。R型はH型のブロックを基にした高回転型で、クランクシャフトを改良して信頼性を向上させています。一方、U型はモータースポーツ用に再設計された版であり、高出力を目指しています。

また、直列6気筒のK型エンジンもH型をベースに開発されており、これらのエンジンは日産車のバリエーションを豊かにする重要な役割を果たしました。

まとめ

日産のH型エンジンは、長い歴史の中で多くのモデルに搭載され、日産自動車の成長を支えました。その信頼性と性能から、日本国内外の多くの市場で愛用され、商用車や乗用車、フォークリフトなど、さまざまな用途に対応するエンジンとして重宝されました。現在でもその影響は感じられ、日産のエンジン開発において重要な位置を占めています。

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