日越関係

日越関係

日本とベトナムの関係は、古くは7世紀の遣唐使の時代にまで遡ります。この頃、日本の使節が嵐でベトナムに漂着したという記録が残っており、これが両国間の最初の接触の一つと考えられています。

歴史的交流

遣唐使の時代

734年、遣唐使判官・平群広成が帰国途中に現在のベトナム中部に漂流し、チャンパ王国に抑留されました。また、753年には藤原清河や阿倍仲麻呂も同じく安南（現在のベトナム北部）に漂着し、阿倍仲麻呂はその後、安南都護府に在任しました。この時代から、両国は海流を通じて繋がりがあったことがわかります。

貿易の開始

16世紀から17世紀にかけて、日本の朱印船がベトナムの港を頻繁に訪れるようになり、貿易が盛んになりました。日本の商人は銀や銅を、ベトナムからは絹、砂糖、香辛料などを輸入し、大きな利益を得ました。ホイアンには日本人居留地「日本町」が形成され、両国の交流が活発化しました。

江戸時代

江戸時代に入っても、徳川家康が阮氏と書簡や贈物を交換するなど、良好な関係が続きました。しかし、日本の鎖国政策により、直接的な貿易は減少しました。

近代

19世紀には、新島襄がサイゴンに滞在した記録や、幕府の使節がサイゴンを訪れた記録が残っています。また、20世紀初頭には、ファン・ボイ・チャウなどのベトナムの独立運動家が日本に亡命し、東遊運動が展開されました。彼らは日本の明治維新に触発され、ベトナムの近代化を目指しましたが、日本政府の協力は得られず、運動は挫折しました。

第二次世界大戦

第二次世界大戦中、日本軍は仏印に進駐し、ベトナムは日本の支配下に置かれました。終戦後、フランスが再び進駐しましたが、ベトナムは独立を求め、第一次インドシナ戦争が勃発しました。この戦争には、多くの残留日本兵が参加しました。

戦後

戦後、日本は南ベトナムと国交を樹立し、戦争賠償を支払いました。その後、ベトナム戦争が終結し、1973年に北ベトナムと国交を樹立しましたが、賠償金の要求により一時遅れました。1975年、南北統一によりベトナム社会主義共和国が誕生し、日本はハノイに大使館を設置しました。

現代の関係

経済協力

1990年代以降、日本はベトナムに対して多額の政府開発援助（ODA）を提供し、インフラ整備や人材育成を支援しています。2020年時点では、日系企業数がASEAN諸国の中で1位であり、貿易額も大きく、両国間の経済的な結びつきは非常に強固です。

人材交流

近年、日本で働くベトナム人労働者や留学生が急増しています。ベトナムは、在日外国人の中で2番目に多い国籍となり、日本社会において重要な存在となっています。

文化交流

両国間では文化交流も盛んに行われています。2009年には日・ベトナム経済連携協定が締結され、貿易の自由化が進み、人的交流も拡大しました。また、両国間で様々な文化イベントや交流プログラムが実施されています。

その他

• - 法整備支援: 日本はベトナムの法整備を支援しており、市場経済に適応した法制度の構築に貢献しています。
• - 南北高速鉄道計画: 日本の新幹線方式を提案しましたが、ベトナム国会で否決されました。
• - ベトナムと「ホンダ」: ベトナムでは、ホンダのオートバイが広く普及し、生活に欠かせない存在となっています。
• - 日本語教育: ベトナムでは日本語教育が盛んに行われており、日本語学習者数が増加しています。
• - レアアース協力: レアアースの共同開発を進めています。

まとめ

日本とベトナムの関係は、歴史的に見ても非常に長く、様々な形で交流が行われてきました。現在では、経済、人材、文化など多岐にわたる分野で協力関係が築かれており、両国にとって重要なパートナーとなっています。今後も、両国関係の発展が期待されます。

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