日野業子

日野業子（ひの なりこ）は、観応2年（1351年）に生まれ、応永12年7月11日（1405年8月5日）に55歳で亡くなった室町時代の女性です。彼女は、室町幕府の3代将軍である足利義満の正室、つまり御台所として知られています。

父は日野時光であり、兄弟には日野資康らがいました。日野家は代々、朝廷との繋がりが深い家柄でした。業子の叔母にあたる日野宣子（岡松一品）は、特に宮中において強い影響力を持っていました。

業子の人生における大きな転機は、叔母・宣子の仲介によって1375年に足利義満と結婚したことでした。義満は京都に花の御所を造営し、業子と共にそこへ移り住みました。業子は和歌に非常に優れており、その才能が義満の心を捉え、深く愛されたと言われています。

しかし、業子と義満の間には、成長した子供はいませんでした。ただし、『系図纂要』という史料には、仁和寺の門跡である法尊が業子の実子であるという記述も残されています。この点については、確たる証拠がないため、真相は定かではありません。

1405年、業子は55歳でその生涯を閉じました。彼女の法名は定心院とされています。

業子と義満の結婚は、日野家にとって大きな意味を持ちました。持明院統の公家であった日野家は、この婚姻を機に、朝廷と幕府の両方において政治的な影響力を強めていくことになります。日野家は、この後も幕府との関係を深め、室町時代の政治に深く関与していくことになりました。

義満は業子の死後、彼女の姪にあたる日野康子と再婚しました。康子はその後、御台所の座を継ぎ、足利将軍家との繋がりをさらに強固なものとしました。

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足利将軍家御台所
御台所

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