日野資実

日野資実について

日野資実（ひの すけざね）は、平安時代後期から鎌倉時代の初期にかけて活躍した公卿及び歌人です。彼は、藤原北家真夏流日野家の出身であり、父は権中納言の藤原兼光で、彼自身が日野家の第14代当主となる人物でもあります。高い地位にあった資実は、正二位や権中納言などの官位を持つなど、公の世界での影響力を示しています。

生涯と経歴

日野資実は、早くから学問に励み、承安2年（1172年）には学問料を賜り、地域社会の文化をリードする存在となりました。さらに、承安4年（1174年）には秀才として認められ、官歴を重ねていくことになります。その後、承安5年（1175年）に越後大掾に初任し、左衛門少尉や六位蔵人といった役職を歴任しながら、治承3年（1179年）に従五位下に叙せられました。

寿永元年（1182年）には皇后宮少進に任命され、その後も皇后宮大進や従五位上などと、快調に出世を遂げていきます。多くの役職を終えた後、一時職を辞するものの、建久2年（1191年）には、宣陽門院判官代として復帰し、再び上昇気流に乗りました。

彼は、官位を次々と上げていき、建久9年（1198年）には正四位下、また翌年には右大弁に任命され、造東寺長官や遠江権守といった役職も歴任します。さらに、建仁元年（1201年）には参議に任じられ、公卿の仲間入りを果たしました。その後も従三位、権中納言などと順調に官歴を重ね、最終的には正二位にまで昇りつめます。

出家するまでの彼の人生は、公公としての重責を果たすと共に、品位が高く、学問や文才にも恵まれたものでした。日野資実は、建久6年（1195年）の「民部卿家歌合」や、正治2年（1200年）の「石清水若宮歌合」など、多くの和歌を詠み、その結果『新古今和歌集』などの勅撰和歌集にも9首が収められています。

死去と評価

資実は、貞応2年（1223年）に62歳でこの世を去りました。彼の文学的才能や官歴は、後の世に大きな影響を与え、日野家の繁栄を支えました。歌人としての資実は、和歌に大きな貢献を果たし、詞の流麗さや深い情感を持って、多くの人々に親しまれました。

家族関係

日野資実は、多くの妻子を持ち、子孫も多いことでも知られています。彼には、八条院女房播磨局や平棠子との間に子供があり、日野家の未来へも大きな足跡を残しました。彼の子供の中には日野家宣や日野家光が名を馳せており、それぞれの時代で活躍しました。日野資実の家系は、彼の死後も日本の公家文化に影響を与え続けました。

彼の存在は、平安・鎌倉時代の文化や政治における重要な要素のひとつであり、後世に語り継がれるべき人物として称えられています。

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