日野資茂

日野資茂の生涯と官歴

日野資茂（ひの すけしげ）は、江戸時代前期における重要な公卿の一人です。彼の生涯は1650年4月27日に始まり、1687年7月29日にその幕を閉じました。日野家に生まれた彼は、公卿として多くの官職を歴任し、江戸時代の政治に対して大きな影響を与えました。

官歴の詳細

日野資茂の官歴は非常に多岐にわたります。まず、万治2年（1659年）には従五位上に叙され、侍従の職に就きました。その後、寛文3年（1663年）に正五位下、寛文5年（1665年）には権右少弁と、着実に昇進していきました。寛文6年（1666年）にはさらに正五位上、右少弁に任じられ、寛文9年（1669年）には左少弁に昇格しました。

このように、彼は閣僚としての経験を積んでいき、寛文10年（1670年）には右中弁に、さらに翌年の寛文11年（1671年）には従四位下に昇進します。これを受けて、寛文12年（1672年）には正四位上に、寛文13年（1673年）には蔵人頭、左中弁の要職を務めました。

その後、延宝2年（1674年）には参議、右大弁となり、延宝3年（1675年）には従三位に昇格しました。延宝4年（1676年）には左大弁、延宝5年（1677年）には権中納言に任じられ、延宝8年（1680年）には正三位に昇進します。彼の官歴は1736年にまで遡り、天和元年（1681年）には従二位に叙され、翌年の天和2年（1682年）には賀茂伝奏を務めました。

系譜と家族

日野資茂の家系もまた注目に値します。彼の父は日野弘資であり、多くの兄弟を持ちました。弟たちの中には外山光顕、豊岡有尚、豊岡弘昌、日野輝光が含まれており、妹には清心院がいました。こうした血筋は、日野家の公卿としての位置をより確固たるものにしたことでしょう。

日野資茂の影響

日野資茂は、その官歴を通して江戸時代の政治に多大な貢献をしました。彼の昇進は、時代の流れと共に変化し続けた公卿制度の中での新たな可能性を示すものでした。政務における彼の能力と経験は、彼の同時代の公卿たちにも影響を与え、後世にまでその功績が語り継がれています。

彼の生涯を通じて、日野資茂は政治家としての顔だけでなく、家族や系譜から受け継いだ伝統をも大切にし、江戸時代中期の文化や社会にも寄与しました。彼の名は、今なお江戸時代の公卿として記憶され続けています。

参考文献

• - 坂本武雄『公卿辞典』七丈書院、1944年。
• - 黒板勝美『公卿補任』吉川弘文館、2000年。

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