日露国境

日露国境

日露国境は、日本とロシア連邦の間に存在する国境です。歴史的には、ロシア帝国、ソビエト連邦という変遷を経て現在に至ります。特に1922年から1991年の間は、ソビエト連邦との国境であったため、「日ソ国境」とも呼ばれますが、国境の歴史的な連続性から、本稿では一貫して「日露国境」の用語を使用します。

概要

1905年から1945年までは、樺太（サハリン）に陸上国境が存在していましたが、それ以降は陸上の日露国境は存在しません。しかし、北方領土問題により、日本とロシアの間で国境に対する認識が異なっています。

ロシアの認識では、事実上（そしてロシアの主張では法的に）の日露国境は、以下の海峡・水道に位置しています。

宗谷海峡（北海道本島と樺太の間）
根室海峡・野付水道（北海道本島と国後島の間）
珸瑤瑁水道（北海道本島と歯舞群島の間）

ロシア国境警備局によると、これらの国境線の長さは194.3キロメートルです。

一方、日本の認識では、南樺太と千島列島（北方領土を除く）の帰属は未確定であり、これらの地域と日本との境界は以下のように定義されています。

宗谷海峡（北海道本島と樺太の間）
択捉水道（択捉島と得撫島の間）

また、帰属未確定地とロシアとの境界は以下のように定義されています。

南樺太の境界である北緯50度線
カムチャツカ半島と千島列島東端の占守島の間の占守海峡

日本国内で発行されている地図では、これらの4箇所に国境線が引かれています。

歴史

日露間の国境は、過去200年間で数回にわたり変更されています。

1855年：日露和親条約
択捉島と得撫島の間に国境線が引かれました。樺太については国境を定めず、日露両国民の雑居地としました。
1875年：樺太・千島交換条約
樺太全島をロシア領、得撫島以北の千島列島を日本領としました。これにより、日露国境は宗谷海峡と占守海峡となりました。
1905年：日露戦争
日本は樺太全土を占領し、ポーツマス条約により、樺太の北緯50度線を境に、南部を日本が、北部をロシアが領有することになり、初めて陸上国境が生まれました。
1910年：韓国併合
豆満江河口付近の短い露朝国境が、大日本帝国とロシア帝国の国境となりました。これは、1945年に朝鮮の日本統治が終わるまで続きました。
1920年：シベリア出兵
尼港事件を受け、日本が北樺太を占領しました。その後、1925年に日本とソ連が国交を樹立し、北樺太から撤退し、北緯50度線が再び日露国境となりました。
1945年：第二次世界大戦末期
ソ連軍が南樺太と千島列島（北方領土を含む）を占領し、現在に至ります。1956年に日ソ共同宣言で国交は再開しましたが、平和条約および国境画定条約は締結されていません。

交差する交通路

現在の日露国境は全て海上国境であるため、陸上の交通路は存在しません。かつて樺太に陸上国境が存在した時代（1905年 - 1945年）には、国境を跨ぐ道路が1本存在していました。

関連項目

日ソ国境紛争

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